2008年07月03日

「My Fair Lady」at Sydney Opera House

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「My Fair Lady」はオードリー・ヘプバーン主演の映画は観たことがあったが、ミュージカルでは初めてだ。もっとも、映画よりミュージカルのほうが先で、初演は1956年、ぼくの生まれた年にニューヨークのブロードウェイで大ヒットした。原作は1913年にバーナード・ショーが書いた戯曲「Pygmalion」。ぼくよりちょうど100年前にダブリンで生まれたショーの、57才の時の作品だ。
舞台の最初のシーンは、ロンドンの野菜市場だったコヴェント・ガーデンで、激しいコックニー訛りのため、セリフがよく聞き取れない。正に「Why Can't the English?」。 映画を観ていたおかげで、ストーリーを知っていて良かった。
豪華な衣装、良くコントロールされたオーケストラの演奏、ギャグにあふれたセリフと歌、出演者のパフォーマンスは完璧だった。イライザが一生懸命英語の発音の練習をする様子や、ハウ・ドゥ・ユー・ドゥと棒読みのあいさつしかできなかったり、競馬場で思わず下世話な地が出て叫んでしまうところが可愛い。ヒギンズ教授のマザコンぶりもなかなか。
昨夜はリナーテ&アーヴィンと一緒にオペラハウスへ行った。イライザがトランシルヴァニア国の皇太子と見事にワルツを踊るシーンでは、リナーテはとても嬉しそうだった。トランシルヴァニアは彼女の生まれ故郷だが、今はもう国としては存在しない。

2008年05月28日

「The Phantom of the Opera」at Lyric Theatre

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「The Phantom of the Opera」Andrew Lloyd-Webber

昨夜「オペラ座の怪人」を、シドニーのカシノがあるStar CityのLyric Theatre(リリック・シアター)で観て、これは本当に良くできたミュージカルだとあらためて感心した。古典的なオペラやバレエのシーンを散りばめ、豪華な衣装と複雑な舞台装置を駆使し、歌と音楽は美しさと力強さが絶妙のバランスで成立している。昨年観た映画も良くできていたが、ナマの舞台はまた違った迫力がある。宙に浮くシャンデリアは、なんだか昔のSFに出てくる宇宙船みたいで面白かった。
ファントム役は、Anthony Warlow(アンソニー・ウォーロウ)、Christine役は、Ana Maria。二人ともいい声をしている。他の出演者も個性的で、素晴らしい歌と踊りを披露してくれた。
ただ、Lyric Theatreの音響がぼくの好みではなかった。音が固く、残響も不自然。大勢の声が重なるシーンでは聞きづらいことがあった。何よりも艶とか妖しさが足りない。せっかくのオーケストラが平板に聞こえてしまう。
1986年のロンドン初演時のキャストで録音したCDを聞いたことがあるが、そちらのほうがずっと音が良いと思う。クリスティーン役は、制作者のアンドリュー・ロイド=ウェバーの妻だった、あのサラ・ブライトマン。怪人役のマイケル・クロフォードの声も良く、この二人の組み合わせは抜群だと思う。
ぼくがこのミュージカルを好きなのは、音楽の奥底に棲む魔物に触れているからだ。優れた音楽家はこの魔物から音を授かり、こちら側へ持ち帰ってくる。彼はつぶやく「It's my music 」。そして、この化け物は私たちの心の中に棲んでいる。彼は自らの醜い姿を恥じ、誰からも愛されないと思いこんで、他人と光に背を向け暗闇に潜んでいる。それでも耳をすませば遠くから彼の歌が聞こえてくる「The Phantom of the Opera is there - inside your mind」。



2008年05月17日

「Guys and Dolls」Chatswood Musical Society

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昨夜「Guys and Dolls」を観に、ChatswoodのZenith Theatreへ。ハーバーブリッジを渡ったノースにあるが、うちから車で30〜40分で行ける。このZenith Theatreは以前会場として使っていたタウンホールよりずっと快適だ。階段状になっているので、ステージが見やすいし、椅子のクッションがいい。地下に駐車場があり、$7で停められるのも便利だ。
「Guys and Dolls」は1950年にブロードウェイで大ヒットしたミュージカルの古典。crap game(サイコロ賭博)にハマった男たちと可愛い女たちのラブコメ。楽しい歌とダンス、最後はハッピーエンドだ。映画にもなって、マーロン・ブランドやフランク・シナトラが出演したとのこと。
公演は8時開始、途中休憩を挟んで、終わったのが11時。それからロビーで、シャンパン・サパー。シャンパン、ワイン、ジュースはカウンターで自由に飲める。スタッフがロールサンドやチーズをトレイに乗せてサーヴしてくれた。いつもopening nightだけこのサパーが付いている。主催者の挨拶も聞けるし、何よりも出演者と一緒に飲み食いしながら、話せるのが楽しい。
次回の公演は11月の「Thoroughly Modern Millie」だ。

2008年03月19日

「Present Laughter」 Noel Coward

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ノエル・カワードの「Present Laughter」を、タスマニア旅行中、3月7日にホバートで観た。DirectorはPaul McIntyre。
主人公のGarryを演じたNick Falkをはじめ11人の出演者全員がとても個性的で面白い。Garryに思いを寄せるゲイの脚本家Roland Mauleを演じたJared Goldsmithという役者が気に入った。Garryを見つめるあの目つきは尋常ではない(^.^)。舞台セットのGarryの居間や衣装も素晴らしい。ストーリーは、容姿端麗、金も地位も名誉もあるがちょっとだらしない男Garryが陥った男女関係のドタバタ。混乱のあげく、最後がハッピー・エンドになるのもいい。途中2回の休憩を挟んで、3幕、2時間45分の長丁場だが、全く飽きさせない。とても良くできたコメディだ。
タスマニア旅行中、どこかでコンサートかプレイを観たいなと思って予約しておいたものだが、これは大当たりだった。ぼくらは自然も好きだが、都市(ヒトが作ったモノ)も大好きなのだ。
会場であるホバートのPlayhouse Theatreは少しくたびれた感じがいい雰囲気で、赤を基調とした内装もいい。入り口では黒服のドアマンが出迎えてくれる。こんな素晴らしいプレイなのに、チケット代はわずか$23だ。シドニーのオペラハウスならこの3倍はする。しかも会場内のバーは、ワイン一杯$4、コーヒー$1.5という格安。ホバートで演劇を観るならお勧めの場所だ。

2008年02月16日

「Short+Sweet Top90」 Newtown Theatre

昨夜は、エリザベス&クリスも同じ日のチケットが取れたので一緒にNewtownへ行き、プレイの始まる前にタイ料理店で夕食。Newtownは名前とは裏腹に少し古ぼけたいい感じの街で、タイやインド料理店が多く、コンサートやプレイが盛んだ。
この夜は、2時間で10のプレイが上演された。Newtown Theatreの座席はSeymourよりも狭く、長時間座っているのはちょっとつらい。ぼくが気に入ったのは、自分にだけ見える熊に悩まされる女性のサイコドラマ「Why is the bear shouting?」と、娘が家に連れてきたフィアンセに対するステレオタイプな先入観を笑う「Terror in the Northside」だ。
アナの出演したプレイは、残念ながらこれもストーリーが弱い。最後にもうひとひねりほしかった。
終了後、ロビーで出演者も一緒におしゃべり。合間にポエトリー・リーディングが行われていた。
アナはちょっと疲れ気味。毎日昼間は小学校で教え、夜は演劇で、とても忙しかったこの一週間もあと一日で終わる。とりあえずご苦労様。

2008年02月15日

「Short+Sweet Top90」 Seymour Theatre

「Short+Sweet Top90」は、短い演劇ばかりを集めて、Seymour TheatreとNewtown Theatreの2つの劇場で5週間に渡って上演される。「Biggest little play festival in the world」と呼ばれる世界的なフェスティバルだ。これからやっていこうとする小さなプロダクションや劇作家、演出家、役者にとって格好のショーケースになっている。
昨夜行ったSeymour Theatreはシドニー大学の一郭にあり、車をキャンパスの中に停められるので便利。2時間で12のプレイが上演された。一人芝居から6人のグループが、3分から15分くらいのショートプレイを、次々とセッティング変えて上演していく。コメディやシリアス、セクシャルなものまで様々だ。
アナが出演したのは「Glory of God」という、神の愛を探し求める5人の物語だ。残念ながら、構成もダイアローグもあまりよくない。所々冗長だったり説明不足だったりして、バランスが悪く印象に残らない。アナの演技はいいと思うが、彼女のキャラクターには合っていない。
ぼくが気に入ったのは、起承転結がはっきりした古典的な構成の「Somewhere between the sky and the sea」「Tenterhooks」「At sea」だ。しかしやはり短いモノでは、星新一のショートショートや川端康成の掌の小説は傑出してすごいなと再確認した。
今夜は、Newtown Theatreへ観に行く。


2008年01月19日

「Le Grand Cirque」 Sydney Opera House

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「Le Grand Cirque」 Sydney Opera House

今日は朝から雨の中、オペラハウスのコンサートホールで「Le Grand Cirque」というサーカスを観てきた。サーカスといっても、動物や火、水などを使わないので、曲芸とか軽業師という呼び方がぴったり。洗練されたアクロバットとダンスに合わせた音楽もなかなかいい。土曜日なので子供連れのお客も多く、ホールは満員。前から5列目でほぼ真ん中のいい席が取れたので、パフォーマーの表情までよく見える。真っ白なタキシードを着た坊主頭の主宰がショーを仕切り、ステージにお客を上げて一緒にパフォーマンスをやったり、お客をのせるのがとてもうまい。
ほとんどの出演者はチャイニーズの少年少女だ。中国中からアクロバットのチャンピオンクラスが集められたそうで、人の頭の上で片手で逆立ちするなんてことをいとも簡単にやってしまう。多宝塔のようなオーナメントを手足の上に捧げ持ちながらエビ反りして、人間シャンデリアを作りあげた女の子、高いポールの上から真っ逆さまに滑り落ちて、地面ぎりぎりのところで足だけでストップさせた男の子等々、人間の身体を使った芸術作品だ。
このショーのクライマックスは「Wheel of Death」という、ぐるぐる回る二つの巨大なサークルだ。長いシャフトでつながった二つのサークルの中に二人の少年が入り、回転を速めてゆく。かなりのスピードで回るサークルの中のみならず外側も歩き、縄飛びをし、はては目隠しをして歩くという、危険度の高いパフォーマンスだ。さすがにこのときの二人の表情は真剣そのものだった。
最後は満場の拍手の中、客席に大きなボールがたくさん投げ入れられ、途中20分の休憩を挟んで約2時間とても楽しめた。
このショーはもちろんすばらしいが、話に聞いた限りでは「上海雑技団」のほうが、動物も使い、もっとすごいそうだ。いつか上海で観てみたい。

2007年11月03日

「The Government Inspector」Bell Shakespeare Company

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「The Government Inspector」at the Playhouse, Sydney Opera House

今日の午後は、オペラハウスで「The Government Inspector」というコメディを観てきた。原作はニコライ・ゴーゴリが1836年に発表した「検察官」で、帝政ロシア政府の厳しい検閲と何でも袖の下しだいという地方政治の腐敗を皮肉ったサタイアだ。Roger Pulversが、老若男女たくさんの登場人物が出てくるこの小説をたった二人の男性が演じる劇に書き換え、Darren GilshenanとWilliam Zappaが見事に演じ分けた。
Roger Pulversはアメリカ生まれだが、オーストラリアに移住し、それから日本に移り、今は東工大の世界文明センター長だそうだ。日本では2000年に「二人だけの検察官」として(出演:橋爪功と柄本明)、シアターX(カイ)で上演された。
Darren Gilshenanは3年前、今回と同じプロダクションのBell Shakespeare Companyで大成功を収めた「The Servant of Two Masters」の主役を務めた。彼のコミカルな演技は傑作で、一目でファンになった。彼は「Mr Bean meets Jim Carrey」とも言われているらしいが。William Zappaを見たのは今回が初めてだったが、Darrenに負けず劣らず素晴らしい演技力だ。
ステージの上にはロシアの文字が書かれた巨大なダンボール箱が逆さまに置かれていて、その中で各シーンが演じられる。1人がステージで演じている間にもう1人が裏で着替え、次のシーンの準備をするというアクロバティックな構成だが、Darrenは6役、Williamは13役を、1時間50分、休憩なしで見事に演じ切り、大笑いのうちに終わった。
いいコメディは心も身体も明るくほぐしてくれるので大好きだ。

2007年10月28日

「Honey」Direction:Gael Ballantyne

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昨夜はアナ&エイドリアン、エリザベス、ポールも一緒に総勢6人で、パラマッタのRiverside Theatreへ「Honey」というプレイを観に行った来た。アナの友人が主演で、おもしろいから一緒に行こうと彼女から誘われたのだ。Riverside Theatreは創立20年、150人くらいしか入らない小さなシアターだが、いつも良質な演劇をやっている。
「Honey」のストーリーは70年代のオーストラリアが舞台。主人公はヴェトナム戦争で悲惨な体験をしたため、帰国後もフラシュバックに悩まされ夜も眠れない。奥さんともうまくいかず言い争いばかりしている。しかも娘のHoneyは白血病に冒され、骨髄移植が必要で、莫大な費用がかかることがわかった。そんな状況の中、主人公と同じような帰還兵の仲間たちが、Honeyの手術資金を作るために協力することになった。その方法は、というとネタばらしになるので詳しくは書かないが、非合法だがいかにも70年代のオーストラリアらしいやり方だ。
このプレイはただの演劇ではなく、ミュージカルのように要所要所で歌を歌う。狭い舞台だが、男性7名、女性3名が入れ替わり立ち替わり、空間をうまくコントロールしていた。舞台の奥にスクリーンもあり映像も効果的に使っていた。
「Honey」のテーマは結構重いが、コミカルな演出がうまく、最後はすてきなハッピーエンドだ。途中20分のインターバルをはさんで、2時間のステージはとてもおもしろかった。
終わってから、ロビーで出演者たちとビール片手におしゃべりし、帰宅したらもう真夜中だった。

2007年10月13日

「Lucnica」at The State Theatre

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昨夜はシティのState Theatreで「Lucnica(ルチニツァ)」というSlovakia(スロヴァキア)のダンスを観てきた。LucnicaはThe Slovak National Folklore Balletで、1948年に生まれた民族舞踊団だ。5人のミュージシャンに合わせて男女あわせて30人くらいがダンスと歌を披露する。伝統的なフォークダンスをベースにしたダンスだが、モダンな振り付けもされていて、変化があっておもしろい。
衣装もまた素晴らしい。毎回違う服に着替えてくる。美しい刺繍の入ったヴェストやブラウス、エプロンスカートが可愛い。女の子はスカートとペチコートを昔のピンクハウスみたいに重ね着していて、舞い踊るとスカートがひらひら広がり、色とりどりの蝶々のようだ。男の子はブーツで床を踏みならしたり、躍動感あふれるダイナミックなダンスで手拍子を誘う。
途中、ミュージシャンだけのパートもある。ヴァイオリンが4人と、ツィンバロンが1人、情感あふれるしっとりとした曲から、タラフ・ドゥ・ハイドゥークスばりの超絶早弾きまで披露してくれた。またFujara(フヤラ)という人の背丈ほどもある長い楽器がおもしろかった。尺八のような枯れた音を出す。
Riverdanceほどは有名でないかもしれないが、このグループも民族舞踊をモダンに仕上げていて素晴らしい。もう少し歌のパートがあればうれしいのだが。
State Theatreはバロック調の内装が素晴らしい。小さなタイルで装飾された床、ドーム型の天井やシャンデリアが見事で、きれいな彫像がたくさん飾ってある。客席のシートも古いわりにはまあまあのコンディション。シアターとしてはオペラハウスよりも気に入っている。

2007年09月09日

Carlotta's Priscilla Show

昨夜は、エドナ&オディと一緒にSouth Juniors Clubで「Carlotta's Priscilla Show」を観てきた。
Carlotta(カーロッタ)はたぶんオーストラリアで最も有名なDrag Queenの元祖だ。Australia's queen of queensと呼ばれている。60年代初め、最もエキサイティングだった頃のキングス・クロスに「Les Girls」というクラブがあり、性転換したCarlottaが絢爛豪華なショーで一世を風靡した。その当時、ヘレンやエドナも彼女のショーを観に行ったそうだ。Carlottaの実年齢は公表されていないが、彼女のヘアメイクをしたことがあるエドナによると、もう70才くらいだそうだ。それでも今もいい声をしていて、頭の回転が速く、しゃべりがうまい。Carlottaを囲むダンシング・ガールズは結構無骨な大女が多いが、小柄な彼女がステージの上では圧倒的に華がある。歌って踊ってダーティ・ジョークをめいっぱいかまして、お客をのせるのが抜群にうまい。
Carlottaが「今日、誕生日の人いる?」と聞いたので、ヘレンがオディを指さして、「ここにいるわよ」と叫んだので彼女はわざわざステージから降りてきて、オディのためにバースディ・ソングを歌ってくれた。実はオディの誕生日は8日ではなく9日なのだが、そこはご愛敬。
シドニーはゲイ・レズビアンが暮しやすい街の一つだろう。有名なゲイ・レズビアンのパレード、Mardi Gras(マーディ・グラ)が毎年3月に開催され、世界中から集まってくる。
3人のDrag Queenがアリス・スプリングスへ興業に向かう珍道中を描いた「The Adventure of Priscilla, Queen of the Desert」はオーストラリアを代表する映画の一つだ。Carlottaがいたからこの映画が生まれたのに違いない。
彼女のサイトはここ。http://www.carlotta.com.au/site/index.html

2007年08月20日

「The Good Old Days」at Sydney Town Hall

朝から小雨の降る中、シティのタウンホールで「The Good Old Days」と題されたコンサートを観てきた。シドニー・タウンホールの中に入るのは、去年、林英哲の太鼓を聴きに来て以来だ。コンサート・ホール正面に壮麗なパイプオルガンがあり、美しいステンドグラスと凝った内装は、オペラハウスよりも気に入っている。
ステージには、パイプオルガンとヴァイオリンが1人ずつ、ピアノとオペラ歌手が2人ずつ。ソロでまたは2人で、クラシックからオペラ、オペレッタ、アイリッシュ・トラッド、ラグタイムなど、いろいろな曲をやってくれた。
まず、パイプオルガンで2曲のあと、若い2人が順番に登場。ヴァイオリンのSarah Limはきれいなピンクのドレスが可愛く、ガーシュウインの曲やダニー・ボーイも良かった。次いで、Seungmin Ohというチャイニーズの男の子。なんと15才だ。ショパンとベートーヴェンを見事に弾きこなした。
そして2人のオペラ歌手の登場。伴奏とコーラスをやるのは、ピアニストのGlenn Amer(グレン・エイマー)。三柴江戸蔵のような巨体で、歌もうまい。深い良い声をしている。
バリトンのJose Carbo(ホセ・カルボ)はアルゼンチン生まれのシドニー育ち。スペインとイタリアの家系だそうだ。彼は今シドニーのオペラハウスで公演中の「The Barber of Seville (セヴィリアの理髪師)」で、Figaroの役をやっている。今日のステージでもこのオペラから一曲やってくれたが、やはり素晴らしい声と演技だ。オペラの曲だけでなくゴッド・ファーザーのテーマなんかも歌ってくれてとても良かった。昨年はシドニー・シンフォニーと一緒に日本へ行き、東京と大阪でドン・キホーテをやったとのこと。
最後のYvonne Kenny(イヴォンヌ・ケニー)はオーストラリアを代表するソプラノの一人だ。シドニー・オリンピックの閉会式でも歌った。華のある笑顔と57才とは思えない張りのある声で、どんな曲も艶やかに歌いこなした。
こんなにすばらしい音楽を2時間たっぷり楽しめて$24は安い。同様のコンサートは10月にもやるそうだ。また観に来るのが楽しみだ。

2007年06月24日

「The Four Kinsmen」

昨夜はSouth Juniors Clubへ「The Four Kinsmen」のショーを観に行った。彼らは、4年ほど活動を休止していたが、最近になってカムバック。歌って踊れて、ギャグもアクロバットもやれる、オーストラリアが誇る究極のヴァラエティ・バンドだ。しぶいギターの弾き語りから、アカペラ、ジャズ、ロック、オペラまで何でも歌えて、Riverdanceばりのタップもすばらしい。しかも、ドリフターズ(日本のね)ばりの、馬鹿馬鹿しいコミックも忘れずにやってくれる。
傑作だったのが、Queenの「Bohemian Rhapsody」のニワトリ・ヴァージョン。ニワトリの被りモノをした4人が、本家のクイーンよりもうまい見事なオペラ風コーラスを聞かせる。が、歌詞は変えてあるし、絶妙におかしいチキン・コーラスにみんな大笑い。
エルビス、シナトラ、ママズ&パパスときて、圧巻のオペラはTurandotの「Nessun dorma! 」だ。10年前のパヴァロッティなみの豊かな声量で聞かせる。以前やった「The Phantom of the Opera」も素晴らしかった。
こんなに歌えるのに、くだらないギャグもやれるグループはなかなかいない。ぼくもヘレンも人間味あふれる彼らが大好きだ。

2007年06月02日

「Oklahoma!」Chatswood Musical Society

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 昨夜は、Musical「Oklahoma!」を観にChatswoodへ行ってきた。
Chatswood(チャッツウッド)はうちから車で30分くらい、ハーバー・ブリッジを渡ったNorth Sydneyにある街で、中国系住民が多く上海のようにぴかぴかの高層ビルが立ち並んでいる。
 ここにChatswood Musical Societyという団体があり、Civic Cnetreのホールで年2、3回公演をやる。ほとんどの出演者はプロではなく、オーディションで選ばれた素人だが、とてもレベルが高い。「The Pajama Game」「Annie」「Fiddler On The Roof」「Jesus Christ Superstar」「Oliver!」などたくさんのミュージカルを観たがどれも素晴らしいステージだった。

 今回の「オクラホマ!」も見事な出来だった。10才くらいの男の子から、じいさんばあさんまで出演者が60人もいて驚いた。衣装や歌や踊り、オーケストラの演奏も素晴らしく、途中20分の休憩を挟み、3時間のステージがあっという間だった。
 下記の写真は、開演前のホールのロビー。初日は公演が終わった後、ここでパーティをやる。シャンパンやワインを片手に、サンドウィッチやパイ、ケーキなどをつまみながら、プロデューサーや出演者、裏方のスタッフも交えて話したり出来る。これがいつも楽しみなのだ。

 Chatswood Musical Societyのサイトはここ

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2007年05月13日

「The Platters」South Juniors Club

 昨夜は、The Plattersのコンサートを観に、South Juniors Clubというローカル・クラブに行ってきた。バンドの名前は正確には「The Platters Featuring The Legendary Monroe Powell」という。Monroe Powelは3代目のリード・テナーだそうだ。ぼくは知らなかったのだが、全世界にThe Plattersというグループは20もあるらしい。このサイトwww.ozsons.com/platters.htmに詳しく書かれていた。
 ホールは満員。The Plattersの5人のメンバーはそれぞれ違ったキャラクターで素晴らしいハーモニーを聴かせてくれた。バック・バンドはキーボード、ドラム、ベースの3人だけだが、とてもうまい。「Only you」「The Great Pretender」「Twilight Time」「My Prayer」「Smoke Gets In Your Eyes」などのヒット曲から、ジョン・レノンがカヴァーして有名になった「Stand by me」、オーストラリア向けサービスとして「Waltzing Matilda」もやってくれた。リードシンガーのMonroe Powelはすごい声をしている。ちょっと固めの声質だが、豊かな声量で自分の声を自由自在に操っていた。「Aussie! Aussie! Aussie!」「Oi! Oi! Oi!」の掛け声を観客と一緒に何度もやって喜んでいた。

 South Juniors Clubには、3階に500人くらい入るホール(auditoriumという)があり様々なショーが観られる。チケットは安く、たいていは$5から$10(たまに$20〜$50)ですむ。2階にはダンスフロアがあり、バンドが入っていて踊れる。これはいつも無料だ。この夜のThe Plattersはたった$7。この値段であんな素晴らしいショーが観られるのはありがたい。東京のブルーノートならいくら取られるか?

 オーストラリアの各サバーブには、こういうローカル・クラブがたくさんあり、たいていレストランやカフェ、スポーツ・ジムやポーカー・マシンが併設されている。庶民の憩いの場所だ。South Juniors Clubはうちから近いし、いいショーが観られるのでよく行く。ぼくらはオペラ・ハウスにも行くが、こういうローカル・クラブから、素人の劇団やバンド、自宅でやるホーム・コンサートまで楽しめる所がたくさんあって幸いだ。

2007年04月29日

「The God of Hell」Sam Shepard

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 昨夜は、 Newtown Theatreで、「The God of Hell」というプレイを観てきた。主演のひとり、アニーは友人のメリーの姪で、本業は法律家だ。今も大学で教えているが、趣味で演劇をやっている。趣味といっても本格的で、ちゃんと一流の演劇学校で学び、役者として映画やTVCMに出演したりしている。
 「The God of Hell」は、サム・シェパード(Sam Shepard)の脚本。彼はアメリカの劇作家で、Wim Wenders(ヴィム・ヴェンダース)と作った映画「Paris,Texas(パリ・テキサス)」や「Don't Come Knocking(アメリカ、家族のいる風景)」で有名だ。

 ストーリーは、のんびりとファームで暮す夫婦が、アメリカ政府によって、人格をコントロールされたあげく、生まれ育った土地を奪われてしまうという悲劇だ。アニーが演じる妻はファームを売りたくはないのだが、政府から来た男によって、夫は電気仕掛けのロボットにされ、最後にはファームは売り飛ばされてしまう。
 この夫婦の他には、科学者と政府の男(ケーキのセールスマンとしてやってくるのがおかしい)、合計4人の役者が演じる。彼らの演技は皆すばらしく説得力があるのだが、上演時間が1時間しかないせいか、ストーリがわかりにくい。あと30分はかけたほうがよかったと思う。

 アニーのプレイを観るのはこれで4回目。一番気に入っているのは、数年前に観た「Beyond Therapy」だ。Balmainにある「The Cat and Fiddle」というパブ・ホテルの地下にある小さなステージだった。「Beyond Therapy」はChristopher Durang(クリストファー・デユラング)の傑作コメディで、アニーはニューロティックな精神科医を演じた。自分の患者よりもアブナイ言動ばかりするおかしなセラピストで、スヌーピーのぬいぐるみを溺愛し、奇天烈な声で笑いかける様子は今でも忘れられない。こういうちょっとヘンな役がアニーにぴったりだと思う。