2019年09月22日

Strathfield Symphony Orchestra「The Big 5-0」

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今日の午後、ストラスフィールドのタウンホールで開催された、Strathfield Symphony Orchestraの50周年記念コンサートに行ってきた。
シドニーにはシティに、巨大なパイプオルガンが設置されている、大きなタウンホールがあるが、ローカルの人たちが使いやすい手頃な大きさのタウンホールとしては、Strathfield Town Hallが一番いいと思う。
Randwickは狭くてオーケストラは入れないし、Paddingtonはちょっと広すぎる。
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お目当てだった、Elena Kats-Cherninの「Redmyre Suite」は予想通り素晴らしく、メインの、べートーヴェンの「交響曲第7番」も迫真の演奏だった。
インターヴァルでは別室にお茶と50周年記念の大きなケーキが用意されていた。
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観客も演奏者も一緒に歓談できるのは楽しい。
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指揮者の村松貞治さんは、このオーケストラを率いてもう10年近くになる。
たくさんの人たちが入れ代わり立ち代わり挨拶に来るので忙しい。
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ぼくも、Elena Kats-Cherninの「Redmyre Suite」が聴けて本当に良かった、と、村松さんにお礼を言った。
Elenaは今、新作発表のためベルリンに行っているとのこと。
またいつか彼女の曲を演ってほしいものだ。

Dvořák「Requiem」

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昨夜、夜8時から10時まで、シドニー・オペラハウスで、ドヴォルザークの「レクエム」を聴いてきた。
友人のスーと娘のカトリーナが合唱団の一員として出演しているので、良い席のチケットを取ってくれた。
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ステージの上はオーケストラ100人とコーラス300人という大所帯で壮観だ。
指揮はBrett Weymarkという、まだ若い男。エナジェネティックでシャープな指揮が気に入った。
彼自身も歌い手で、Sydney Philharmonia Choirsの音楽監督だそうだ。
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演奏時間が1時間40分と長く、複雑で重層的な構成なのに、親しみやすく、まるでポップスのように聴きやすい。
これはチェコフィルの演奏。

2019年09月21日

ドヴォルザーク「レクイエム」

今夜、オペラハウスへ聴きに行ったドヴォルザークの「レクイエム」は素晴らしかった。
家に帰ってきたのは、夜11時を回っていたので、詳細は明日にでも。

2019年09月05日

「Stravaganza!」at Paddington Town Hall

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昨夜は、Paddington Town Hallで開催された「Stravaganza!」というコンサートを聴きに行ってきた。
先週末からやっていた音楽イヴェント「Eastside Sydney Music Festival」の最終日で、参加ミュージシャンがたくさん集まって、フィナーレを飾った。
ヴァイオリン5人、ヴィオラ2人、チェロ2人、コントラバス1人、ハープシコード2台、という編成のバロック・オーケストラだ。
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メインの曲目はヴィヴァルディで、他にはポルポラ、コレッリ、ハイドンも演ってくれた。
まずはAntonio Vivaldiの「L'Olimpiade」から。

第一部の後半に演った、Nicola Porporaの「Il Gedeone」からの曲も素晴らしかった。
これは歌入りの原曲。

20分ほどの休憩をはさんで、後半。
やはり一番の聴き所はVivaldiの「La Stravaganza」だ。

最後は、Handelの「Cencerto HWV288」。

こういう地元に密着した音楽イヴェントは楽しい。来年もまたやってほしいものだ。
このオーケストラのダイレクターを務めたのは第一ヴァイオリンのRachael Beesley
演奏家としても音楽教師としても素晴らしく、youtubeに彼女のチャーミングなワークショップがアップされていた。

2019年05月27日

Mimosa at Woy Woy

シドニーから北へ1時間半ほど行った辺りにCentral Coastと呼ばれる、 海も山もある風光明媚なところがある。
その一つの町Woy Woyの近くに友人のスーが住んでいるので、セス&ヴァルと一緒に訪ねて、夕食に行き、土曜日の夜に泊めてもらった。
夕食の後、教会のホールで開かれているコンサートを聴きにいった。
この地域に住む音楽好きが集まって、自主的に定期コンサートを開いている。
メインアクトは、それなりのプロやセミプロのミュージシャンを呼び、その前後に、近所の人たちが交代でステージに上がって、詩を朗読したり、歌を歌ったりする。
途中で休憩時間があり、お茶とお菓子が出て、3時間楽しめて、入場料は$13という破格の安さである。
顔馴染みが多いので、気楽な雰囲気で、スーも時々ステージで歌うそうだ。
この夜のメインアクトは、Mimosaという名のギターとヴァイオリンのデュオ。
Sydney Conservatoriumでクラシックを学んだ二人で、今はスーの近所に住んでいるとのこと。
基本はジャズなのだが、ラテンやケルティックの曲もいい。
ストリートからカフェやクラブ、オペラハウスにまで出演している。
下はシドニーのThe Rocksでの演奏から。

サティの「ジムノペディア」や

ローリング・ストーンズの「Paint it black」も気に入った。

また一つ良いミュージシャンに出会えてうれしい。

2019年01月13日

GANGgajang(ギャング・ガジャーン)

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昨夜は、近くのクラブでGANGgajang(ギャング・ガジャーン)のライヴを観てきた。
1980年代にデビューしたオーストラリアのバンドで、大好きなバンドの一つだ。
35年もやっている長いキャリアのわりに、発表したアルバムはたった4枚だが、まだまだ現役で各地を演奏してまわっている。
今もツアーの真っ最中で、なんとこの日のライヴは無料。他のところではチケットが$30から$45もするのだが。
夜8時開演だが、前座の若いバンドが終わったのが9時すぎ。GANGgajangは9時20分に演奏開始、それから1時間半のステージで、ダンスフロアはあっという間に超満員だ。
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彼らの一番有名な曲はデビューアルバムにおさめられていた「Sounds of Then (This is Australia)」だろう。

リーダーのMark 'Cal' Callaghanは、15歳の時、一家でイギリスからオーストラリアへ移住してきた。
クイーンズランドのBundaberg近郊の小さな町、ブッシュとサトウキビ畑に囲まれた家に住んでいた。汗ばんだベッドの感触や土埃の匂いと湿気、遠くに光る稲妻などが鮮やかに歌われている。
この曲について、マークは『This is Australiaと呼ばれているが、オーストラリアについての歌ではない』と語っている。
より直接オーストラリアについて歌った曲は、
「Circles in The Sand」や
https://youtu.be/ffEBhHv2BiU
「Nomadsland」だろう。

彼らの曲で好きな歌はたくさんあるが、『証人も法律家も握手もいらない、必要なのは信頼だけだ』と歌った「Trust」はお気に入りだ。

最後に、昨夜のステージの雰囲気に一番近いライヴ・ヴィデオ。
皆もう歳をとったが、それでも『ぼんやり待ってじゃねえよ』という態度はいいな。
「Not Waiting Around」

2018年11月12日

第一次世界大戦終結記念コンサート

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昨日の11月11日は、100年前の1918年に第一次世界大戦が終わった記念日。
各地で慰霊の式典が行われ、TVでも特集が組まれていた。
昨日の夕方、ぼくらは友人たちと一緒に、シティのSurry HillsにあるSt.Peter's Churchという大きな教会で開催された「Centenary Remembrance Festival」を観に行ってきた。
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100名を超すオーケストラとクワイヤによる、素晴らしいコンサートだった。
下は教会の後方にあるパイプオルガン。
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フォーレの「レクイエム」から、戦没者を悼むスピーチや黙祷を挟み、「I Vow To Thee My Country」を皆で合唱し、

最後は、サン=サーンスの「Symphony No 3 in C minor, Op 78」。希望に満ちた熱演だった。

この曲は、オーストラリアの映画「Babe」で使われたので、オーストラリア人にはウケがいい。
羊をコントロールする大会で、牧羊犬を差し置いて、可愛い子ブタが満点をゲットするシーンだ。

コンサートの後、皆でホールへ移動。ワインやドリンクを片手に、お菓子やサンドウィッチをつまみながら、演奏を終えてほっとしているメンバーたちとおしゃべりし、教会を後にした。
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2018年10月20日

Orquesta La Luna

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昨夜は、Randwick Town Hallで「Orquesta La Luna」を観てきた。
シドニーでタンゴを演奏する5人組のグループだ。
ピアノ&ヴォーカルをやるリーダーを始め、バンドネオン、ヴァイオリン、コントラバスの各メンバーが、ものすごくうまくて、どの曲にも感激した。
ステージの前は観客が踊れるようダンスフロアとして空けてあったのだが、残念ながら踊ってくれたのは一組しかいなかった。タンゴをちゃんと踊れるカップルはそういないのだろうなあ。
このタウンホールは近所なので、観客の中にはぼくらの友人や知人もいた。
車椅子姿のヘレンを心配して、コンサートが終わってからも話しにきてくれた。
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2018年07月02日

St Peter's Centenary Concert

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昨日の午後はシティのSurry HillsにあるSt.Peter's Catholic ChurchへCentenary Concertを観に行ってきた。教会設立100年記念コンサートである。
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メインの演目は、Marc-Antoine Charpentier(マルク=アントワーヌ・シャルパンティエ)の「Te Deum」
冒頭のプレリュードは有名だ。
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コンサート終了後は中庭に出て、チャーチ・ホールへ移動。
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シャンパンやビールを飲みながらスナックやケーキをつまみ、おしゃべりして、楽しい夜だった。
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2018年03月20日

Sydney Town Hall's Grand Organ Concert

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昨日は Sydney Town Hallへパイプオルガンのコンサートを聴きに行ってきた。
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ここには1890年に設置されたGrand Organがあり、機械式のパイプオルガンとしては、今でも世界最大だそうだ。
ほぼ毎月、ランチタイムに無料のコンサートをやってくれるのでありがたい。
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タウンホールには何度も来ているが、中へ入った途端、いつもその建築の素晴らしさに感激する。
ずっと見上げていたいような天窓があるホイヤーから
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左右に伸びた通路も美しい。
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この日の演奏者は、オルガニストの第一人者、Robert Ampt。ユーモアを交えながら、曲目を一つ一つ解説してくれた。
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このパイプオルガンは、3年前に徹底的にメンテナンスされ、美しい姿に生まれ変わった。金と白で装飾された巨大なパイプ群は、まさに壮麗な大聖堂を思わせる。
メンテナンスの様子を伝えたTV番組には、Amptも出演している。

2017年12月11日

Christmas Carols at St Peter's Church

昨日の夕方、シティのSurry HillsにあるSt Peter's ChurchへChristmas Carolsを聴きに行ってきた。
今の時期は、毎日のようにどこかの教会や公園、街角でキャロルが聞こえてくる。
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一番前の席に座れたので演奏者の様子が良く見える。
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今年はハープが加わっていた。
本番が始まる前からポロポロと弾いていてくれて、それがとても静謐な雰囲気を感じさせてくれた。
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教会の外から、聖歌隊が歌いながら入場し、キャロルが始まった。
Silent NightやOh Holly Nightからヘンデルのハレルヤまで、素晴らしい演奏とコ−ラスだった。
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2017年11月26日

「War&Triumph」Strathfield Symphony Orchestra

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オーストラリアには音楽やミュージカルのアマチュアやセミプロのグループがたくさんある。
シドニーの各サバーブも、オーケストラや合唱団を持っているところが多い。いずれもプロ並みにハイレベルだ。
今日、以前から聴きたいと思っていたStrathfield Symphony Orchestraの「War&Triumph」と題されたコンサートを観に行ってきた。
ストラスフィールドはシドニーの西にある町で、駅前はショッピングセンターができて開発されたが、少し歩くと大きなお屋敷が残る静かな町だ。
会場はタウンホール。
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演目は
Brahms「Academic Festival Overture」
Mozart「Concerto for Flute, Harp&Orchestra」
Tchaikovsky「Swan Lake」
Siberius「Finlandia」with Sydney Sakura Choir
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このオーケストラを指揮・監督するのは、村松貞治という日本人で、黄色いヘルメットをかぶったら工事現場が似合いそうな、おっちゃんである。
悪戯っぽい目の輝きが魅力的だ。指揮をしているときは、ずっと歌うように口を動かしていた。
インターバルでは、紅茶とコーヒー、スナックがふるまわれ、ミュージシャンも観客も一緒におしゃべりしながら楽しんだ。
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最後の演目、シベリウスの「フィンランディア」では、Sakura Choirが登場し、「フィンランディア賛歌」を歌った。
さくら合唱団プロモーションビデオ

フィンランドを讃えたこの歌は、ロシアからの独立運動を支援し、第二の国歌として愛唱されている。
「フィンランディア賛歌」

これはBBC Symphonyの「Finlandia」。

スワン・レイクもそうだったが、ブラスとティンパニーが活躍する曲が好きなのかな。
Strathfield Symphony Orchestraの情熱的な演奏はとても気に入った。また機会があったらぜひ観にこよう。

2017年11月18日

Emma Pask

昨夜、Randwick Town Hallで観たEmma Pask(エマ・パスク)のコンサートは素晴らしかった。
バックバンドのピアノ、ダブルベース、ドラムスはものすごくうまいし、エマの声の魅力に圧倒された。
彼女はオーストラリアを代表するジャズシンガーで、16歳の時、オーストラリアのジェイムズ・モリソンという有名なトランペッターに才能を見いだされた。
それ以降、モリソンのバンドで歌ったり、自分のバンドを組み、今年40歳になる彼女は数々の賞を受賞してきた。
オペラハウスやTVでも活躍しながらも、こんなローカルのタウンホールへも歌いに来てくれる。
ベースはジャズだが、ゴスペルからラテン、ビートルズまで幅広い。
スタンダードの
「Gee Baby Ain't I good to you」

最新作は「Cosita Divina」というラテン・ミュージックに挑戦したアルバム。

その中から、凄みのある「Afro Blue」

最後は、クリスマスソングを集めたアルバムから、
「What Are You Doing New Year's Eve?」

2017年10月21日

The Australian Voices

昨夜はRandwick Town HallでThe Australian Voicesのコンサートを観てきた。
Gordon Hamiltonという、まだ35歳の音楽家が主宰する、コーラスグループだ。
メンバーのほとんどはブリスベンからやってきた。
「The Australian Voices Trailer」

古い教会音楽や、
「Maria durch ein Dornwald ging」

トラッドから、
「Wild Mountain Thyme (Trad. Scottish)」

いろいろな政治家のスピーチを題材にした、ポリティカルな曲も演っている。
「Dark Hour」

これは子供たちが大好きな歌、
「Baby Shark」

人間の声の素晴らしさを堪能できるユニークなグループだ。
ぜひまた来年も歌いに来てほしい。

2017年08月26日

Lurline Chamber Orchestra

昨夜は、Lurline Chamber Orchestraのコンサートを観に、Prince Henry Centreへ行ってきた。
チェンバー・オーケストラでは、ACO(Australian Chamber Orchestra)が有名だが、他にも、オーストラリアには各地に小さなグループがたくさんあって活躍している。
グループの名前の由来になっているLurline Bayは、Coogee Beachの一郭にある小さな岩場で、このオーケストラを作ったLindsay姉妹のホームタウンである。
リーダーのマリア・リンゼイを始め、10人くらいの奏者は皆、素晴らしい腕前だ。
Peter Warlock「Capriol Suite」

この日、演ったのはロッシーニやサラサーテの名曲の他、Holstの「A Moorside Suite」も迫力があって、観客は熱演に拍手喝采。
これは別のグループの演奏だが、ホルストの第三章「March」。

オペラハウスや大きなコンサートホールもいいが、こういう小さな所でステージを間近に観ながら、飲み食いして音楽を楽しめるのはいい。ぜひまた聴きにきたいものだ。

2017年07月31日

Goodbye Chester Bennington

Moreeでは世間とほぼ隔絶していたので、シドニーに戻ってきて3日間、いろいろなニュースをキャッチアップするのに忙しかった。楽しい出来事もたくさんあったけれど、悲しいニュースもあった。
Linkin ParkのChester Benningtonが、7月20日、自宅で首を吊って逝ってしまったのだ。41歳だった。
リンキン・パークは今のアメリカで5本の指に入る素晴らしいバンドだ。
14年前に発表された第二作「Meteora」に収められていた、自分の何かが麻痺していく様子を描いた「Numb」と、そこから抜け出すために悪い習慣を打ち破れと励ましてくれた「Breaking the Habit」は、今でも大好きな曲だ。

バンドの要、マイク・シノダは日系アメリカ人で、日本のTVに出演した時は、チェスターと二人で、最新曲の「Heavy」をやってくれた。

-Why is everything so heavy?
-I'm holding on
今聞くと、この歌はチェスターの押しつぶされ、がけっぷちでぶら下がっているような状態が伝わってきて、心に痛い。

彼らの最初のアルバム「Hybrid Theory」に「Crawling」という曲があった。

-Crawling in my skin
-These wounds they will not heal
両親は離婚し、不幸な少年時代を送り、ドラッグとアルコールにおぼれ、うつ病に悩んだチェスターの皮膚の下には、いつまでも何かが這い回り、傷は癒えることはなかったのだろう。金や名声、家庭の幸福も彼を救えなかった。
それでも、彼は、観客の中に降りて行って、傷や苦しみを共有する歌を、皆で一緒に歌える歌を持っていた。

彼の葬儀は7月29日に行われた。各地でファンが集まり、彼の最期の歌「One More Light」を口ずさんでいた。

「One More Light」の歌詞の一節、
- Who cares if one more light goes out?
- Well I do
のように、ちっぽけな命が一つ消え失せても誰も気にしない世の中だけど、私は気に留めるよ、と、一人一人が心に刻んだに違いない。

最後はこれもデビューアルバムから「In The End」。
ニューヨークの駅で観客と一緒に歌っていたチェスターはもういないが、皆、彼のことは決して忘れないだろう。

2017年06月26日

「The Naughty Corner」The Woollahra Philharmonic Orchestra

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昨日は、The Woollahra Philharmonic Orchestraの「The Naughty Corner」と題された、子供たちのためのコンサートを観に行ってきた。
会場は、PaddingtonにあるSt.Francis of Assisi Churchで、ここはステンドグラスが美しい教会だ。
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子供たちが楽しめるよう、教会の中には風船が飾られ、指揮者は海賊の恰好をして、
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演奏者も魔女帽子をかぶったり猫耳をつけたりして遊んでいた。
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演目は、ロッシーニの「The Thieving Magpie Overture」に始まり、プロコフィエフの「ピーターと狼」など、躍動感あふれる曲を中心に、最後は映画のパイレーツ・オブ・カリビアンのメドレーで締めくくり。
このオーケストラはアマチュアながらとてもレベルが高いので、また機会があったら、聴きに行きたいものだ。
下は、この日も演った、グリーグのペール・ギュントから。
「Morning Mood from Grieg's Peer Gynt Suite No.1」

2017年06月24日

Mikelangelo and the Black Sea Gentlemen

昨夜は、Mikelangelo and the Black Sea GentlemenのコンサートをRandwick Town Hallで観てきた。
アルメニア、スペイン、ロシアなどからオーストラリアに流れ着いた5人の男たちが奏でる、笑いと哀愁にあふれたキャバレー・ミュージックという感じで、とても気に入った。
「Ten Long Years in The Saddle」。

全員が歌える上、皆それぞれキャラが立っていて面白い。
これはヴァオリニストがリードを取る「Handsome and Highwired」。

歌だけでなく、ステージでの動きや表情、しゃべりもうまいので、観客とのやり取りがとてもいい感じだ。
これはキャンベラでのライヴ。

彼らのホ−ムタウンCooma(クーマ)はキャンベラの近くにある小さな町で、Capital of The Snowy Mountainsと呼ばれている。
第二次世界大戦後、戦争でぼろぼろになったヨーロッパ各地から、たくさんの人々が新天地を求めてオーストラリアへ移住してきた。仕事はなんでもやれることをやった。洗濯屋として掃除人としてペンキ屋として働き、炭鉱で真っ黒になって土を掘り返していた。
下のインタビューで、ドイツ人のおばあさんが、ヨーロッパでは私たちは敵同士だった、それがここオーストラリアでは突然友だち同士になったのよ、語っている。
Mikelangelo and the Black Sea Gentlemenの音楽には、彼らが捨てざるを得なかったヨーロッパへの愛と諦めがないまぜになった、ほろ苦い思いがある。

2017年04月29日

Trio Pollastri

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昨夜は「Trio Pollastri」という、ピアノ、ヴァイオリン、チェロの女性3人組のコンサートを観に行ってきた。
会場は、Prince Henry Centre。昔、大きな病院があった所の、今はユニットやリタイアメント・ヴィレッジが立ち並んでいる一郭に多目的ホールがあり、音楽や展覧会でよく使われている。Little Bayに面した丘の上なので、心地よい海風が吹いている。
ホールでは飲み物や軽食が買えるので、一杯やりながら音楽を聴けるのがいい。
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小さな会場なので、細かい音や動作がよく見聴きできる。
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一曲目は、ベートーヴェンの『Trio in B flat major, OP.97』。「Archduke(大公)」の呼び名で有名なピアノ三重奏曲。名曲なのでいつ聴いてもいいものだ。
下はイギリスの「The Grier Trio」という別のトリオによるもの。演奏者と観客との近さや会場の雰囲気が似ている。

二曲目は、フォーレの『Dolly Suite, OP.56』。
これはもともとはピアノの連弾曲なのだが、オーケストラ用にも編曲されている。ぼくは原曲通りのピアノ・デュオ・ヴァージョンのほうが好みだが。
下は子供たちが弾く第1曲の「Berceuse」。子供の誕生日祝いとして書かれた曲なので、可愛くてぴったり。

アンコールにクライスラーの短い曲を演って、1時間少しの短い時間だったが、とても良いコンサートだった。
このトリオはまた機会があったら聴きに来たいものだ。

2016年12月09日

Rest in Peace-Greg Lake

一昨日の7日、Greg Lakeが亡くなった。69歳になったばかり。また一人、ロックの黄金期を作った人がいなくなってしまった。
この一年で逝ってしまったLemmyやDavid Bowieと同様に癌だったそうだ。Keith Emersonは自分で頭を撃ってしまったが。
彼の死亡記事はオーストラリアの新聞「The Guardian」の記事にも出ていた。

「Epitaph」はグレッグがKing Crimsonで歌った代表曲の一つだが、これはほぼ無伴奏のVersion。


彼は齢をとるにつれぶくぶくに太ってしまい、2010年にELP40周年記念でステージに立った時はダルマさんのようになっていた。

60歳を過ぎても幸い声は衰えていないしバンドとしての演奏も良かったのだが、やはり若い頃のようにはいかない。

これは、ロバート・フリップも含め皆20歳そこそこ、疾走感あふれる1969年のライブより「21st Century Schizoid Man」


ありがたいことに、それを作った人たちがいなくなっても、彼らが残してくれた音楽は、いつまでもぼくらのそばにいてくれる。
「Moonchild」

2016年06月11日

Topology and The Australian Voices

昨夜は、Topology and The Australian Voicesの「Unrepresentative Swill」と題されたコンサートを観にいってきた。
ブリスベンからやってきた二つのグループで、Topologyはクインテット、The Australian Voicesは、コーラル・グループである。
もう20年くらいのキャリアを持っている。

Topologyはオーソドックスな演奏スタイルから、

「Share House」という音楽劇をやったりと面白い試みをしている。


The Australian Voicesは、アボリジニジの要素を取り入れた、いかにもオーストラリアらしい曲から、

問答無用で可愛い「9 Cutest Things That Ever Happened」まで、いろいろな曲を発表している。


そしてこの夜のステージで演ったのは、とてもユニークなポリティカル・サタイヤ・ミュージックだ。
この二つのグループが組んで、オーストラリアの歴代の首相のスピーチを素材にした「The Singing Politician」 というアルバムを今年発表した。
「Not Now! Not Ever! (Julia Gillard)」

スピーチのコラージュをバックに、演奏とコーラスが重なり、政治と音楽が、時には争い、時には寄り添い合う不思議な空間だった。

2016年05月14日

Jazzgroove Mothership Orchestra with James Muller

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昨夜は友人たちと一緒にRandwick Town Hallで「Jazzgroove Mothership Orchestra with James Muller」のライヴを観てきた。
このホールでは毎月ライヴを演っていて、観客はほとんど近所に住んでいる人達だし、飲み食いしながら演奏を楽しめるので気に入っている。
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Jazzgroove Mothership Orchestraはサキソフォーン奏者のDavid Theakがリーダーのジャズ・オーケストラで、 もう10年以上活躍している。

昨日は演らなかったが「Walkabout - A Place for Visions」という曲もいいな。

2016年05月09日

The Sydney Town Hall Grand Organ

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今日はSydney Town Hallへオルガン・コンサートを聴きに行ってきた。
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このタウンホールには、The Grand Organと呼ばれる世界一大きなパイプ・オルガンがある。
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このオルガンは1890年に設置され、下のビデオのように、5年をかけて補修された。
「Grand Organ sings again」

今日のオルガニストはChristpher Wrenchで、J.S.バッハやアレクサンドル・ギルマンの曲を演ってくれた。
9000本ものパイプで構成されている巨大なオルガンが奏でる音は大迫力で、天から音の塊が降り注ぎ、重低音の持続音が地響きをたてていた。
クリストファー・レンチはオーストラリアが誇る正統派のオルガニストだ。
シドニーでの演奏は残念ながらyoutubeにはなかったが、下はサウス・オーストラリアでの演奏。



2016年04月22日

月の全てを見る人

朝は晴れていたのに、午後から急に雲が広がり雨が降ってきた。今夜は満月なのだが、残念ながら雲が多くて見られない。
このところ熊本の地震のこともあって、毎日ネットで日本のニュースを読んでいるのだが、「ろくでなし子とマイク・スコットが婚約」という記事を見てびっくり。個人的にはプリンスが死んだことより驚いた。
「まとめ記事」
http://matome.naver.jp/odai/2146120492470630701

Mike ScottのバンドThe Waterboysは30年以上前からずっと今も好きで、たとえばこんな曲。
「The Whole Of The Moon」


お相手のろくでなし子という人のことを知らなかったので検索してみたら、いやあマイクってイイ趣味してますねえ、無事幸せになってください、としか言えないのだが、でも「Red Army Blues」なんかを聴くと結構お似合いの二人かもと思う。


マイクのtwitterにも仲の良い写真がアップされていてラヴラヴである。
東京で乗ったロマンスカーが全然ロマンチックじゃなくてガッカリとつぶやいていたのは可笑しかった。
https://twitter.com/MickPuck

Mike Scottは60歳近くなってもバンドを率いて歌いギターを弾いて踊っている。
「The Whole Of The Moon」の歌詞のように、ぼくには三日月しか見えないが、月の全てを見る人はいくつになっても、そのことを忘れないのだろう。
「Don't Bang The Drum」

2015年11月20日

Baby et Lulu

今夜はRandwick Town Hallへ「Baby et Lulu」のコンサートを観に行ってきた。
Abby DobsonとLara Goodridgeの二人の女性ヴォーカルによる、フランス語の歌に特化したデュオ・グループだ。
バックを務めるミュージシャンも素晴らしく、音がクリアで聴きやすい。
Edith PiafやGeorges Brassens、

Serge Gainsbourgなど、定番のフレンチポップスから、

オリジナル曲まで、とても楽しめた。

2015年10月13日

Damien Leith

昨夜は、Damien Leithのコンサートを観に行ってきた。
ダミアンはアイルランドのダブリンからオーストラリアに移住し、2006年にTV番組の「Australian Idol」に出演して優勝し、一躍有名になった。
とてもクリアな声をしていて、 ギターもピアノもうまい。
今は「The Parting Glass- An Irish Journey」というツアーの最中だ。

「The Parting Glass」とは「別離の杯」、お別れに一杯やることで、アイルランドの古いトラッドだ。

ステージの上でダミアンはアイリッシュ・ソングを歌い、時折ギターを置いて、彼のライフ・ヒストリーを、彼の父の目を通して面白おかしく語って聞かせてくれた。
遠い異国へ行ってしまう息子と父親は最後にビールを一杯やるのだ。

ダミアンはアイリッシュ以外にもオペラからポップスまで、どんな歌でも歌いこなせる。
Leonard Cohenの「Hallelujah」やRoy Orbisonの「Crying」はとても良かった。
下の、ダンサーのCaleb Bartoloと一緒に演ったTears for Fearsの「Mad Wolrd」もなかなかいい。

でもやっぱり彼には故郷のアイリッシュ・ミュージックが一番合っていると思う。
2時間のコンサートの後、彼は一人で再びステージに現れ、観客へお礼の挨拶を述べた。
この夜のステージは録画され、DVDとして発売される予定だそうだ。きっとアイルランドでも売れるだろう。

2015年08月29日

St Andrew's Cathedral School「Showcase」

昨夜はSt Andrew's Cathedral Schoolの「Showcase」というコンサートを観に行ってきた。
この学校はシドニーのど真ん中にあり、最も古い歴史のある学校だ。
「Showcase」という音楽の発表会を毎年開催している。
音楽学校ではなく普通の学校の幼稚園から高校生の子供たちなのだが、演奏はとてもレベルが高い。
会場はMartin PlaceにあるCity Recital Hallで、ここはクラシック用の音楽ホールとして有名な所だ。
ホイヤーに入ると、数人の生徒が演奏して出迎えてくれた。
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ステージに上がる学生以外にも、客席でコーラスに参加する子たちがたくさんいるので、総勢500人くらいにもなる。
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演奏曲はヴァラエティに富んでいて面白い。
クラシックから賛美歌、アフリカン、ジャズなど、様々なスタイルの音楽が披露され、最後はベートーヴェンの交響曲第9番で、生徒たちは全員で合唱。
マイケル・ジャクソンの「We are The World」も良かった。
-We are the world
-We are the children
-We are the ones who make a brighter day
-So let's start giving
この歌はいつもぼくらを励ましてくれる。

2015年07月25日

Chasing the Moon

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昨夜は、Chasing the Moonというバンドのコンサートを聴きに行って来た。
ヴァイオリン、サックス、ギター、アコーディオン、ダブルベース、ドラムスという編成で、Gypsy Jazzという独特のスタイルで演る。
デューク・エリントンからエディット・ピアフなどの曲を、ヨーロッパの古き良き時代の香りに、ジャズやブルースの味付けをして、お酒を片手に楽しむのがぴったりだ。
最後はストーンズの「サティスファクション」をジャズアレンジで演ってくれて面白かった。

会場はPrince Henry Centre。Little Bayを見下ろすゴルフ場のそばにある。
来ている人たちは地元の人ばかりなので、皆リラックスして盛り上がり、バンドの方も1時間の予定を30分延長してくれて、楽しい夜だった。

2015年05月30日

「Gershwin and Me」Simon Tedeschi

Simon Tedeschi(サイモン・テデスキー)は、ポーランド系オーストラリア人で、1981年生まれの、まだ若いピアニストだ。
昨夜、Randwick Town Hallで観たコンサートは素晴らしかった。
サイモンにとってRandwickは自分のホームタウンということもあって、リラックスした雰囲気の中、おしゃべりし、ジュークを飛ばし、1時間半という短い時間だったが、ガーシュインの初期の曲から「Rhapsody in Blue」まで披露してくれた。
youtubeには彼の演奏がいくつかアップされていて、これはガーシュインの「Prelude No. 2」。
ゆったりとしたブルース風のフレーズが心地良い。

ガーシュインの他に、ショパンやドビュッシーなども少し弾いてくれて、どれも見事な演奏だった。
昨夜は演ってくれなかったが、下のようにモーツァルトも素晴らしい。

アンコールはリムスキー・コルサコフの「The Flight of the Bumble-Bee」。
ガーシュイン風アレンジの超高速ヴァージョンで、拍手喝采だった。

彼は優れたピアニストだが、エンターテイナーや教育者としての才能もあるので、子供たちのために、こんなコミカルなショーもできる。

「Prankster」とは「いたずら者」の意味で、8歳でオペラハウスに出演したという天才児も、その頃はいたずらっ子だったのだろう。
仰向けになってピアノを弾くシーンは、モーツァルトの映画「アマデウス」を思い出したが、彼も「Sydney Opera House: Meeting Mozart - Babies Proms」というショーで実際に演って見せていた。


マンガの「のだめカンタービレ」とピアニストの池宮正信を愛する人なら、きっとSimon Tedeschiも気に入ってくれるに違いない。

2015年03月29日

Pearl Beach Opera in the Arboretum

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昨日は毎年恒例の「Pearl Beach Opera」を観に行ってきた。
Pearl Beachは、シドニーから北へ車で2時間ほど行った所にあるCentral Coastと呼ばれる風光明媚なエリアの一郭にある。
ビーチのそばに車を停め、森の中へ歩いてゆくと、
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arboretum(樹木園)という広場に、ステージが設置されている。
観客はイスやテーブルを持ってきて、ワインを空け、ランチを食べながら、開演を待っている。
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歌い手はテナーとバリトン、
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ソプラノとメゾの4人。
途中、30分の休憩を挟み、3時から6時までカルメンやトスカなどオペラの名曲と、ガーシュインの「Porgy and Bess」からも何曲か演ってくれた。
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音楽はコンサートホールで聴くだけのものではない。自然の中で飲み食いしながら楽しむのもいい。時々鳥の声が交じるのも愛嬌だ。
この野外オペラは今年で10周年を迎えた。来年もまた楽しみだ。