2024年11月24日

The Pigs: 20th Anniversary Tour

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昨夜は友人のMさんがライヴに招待してくれた。会場はNewtownの老舗のライヴハウスThe Vanguard。
The Pigsというバンドの20周年記念Gigだ。MさんはThe Pigsのバンジョープレイヤーとして、ずっと一緒に活動している。
ライヴ前にMさんと一緒に夕食に。数週間前からずっとライヴと移動続きでろくな物を食べていない、お米が食べたいと言うので、Hikaruというジャパレスへ。
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ライヴハウスに戻るともう人で一杯。
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The Pigsは不思議なバンドで、基本的にカントリーやブルーグラスなのだが、コミカルで、皆、歌も楽器もうまい。Mさんのバンジョーがリード楽器だ。
彼らのヒット曲「Macho Moisturiser」のようなおバカな曲もいいが、

カバーも傑作。Pink Floyd, Bon Jovi, PrinceからNessun Dormaまで幅広い。
「Lorraine」

最後は、MさんがメインVo。休憩を挟んで3時間、楽しめた。これからも続けていってほしいものだ。
これは12年前のTVショーで。

2024年11月10日

Wild Swans Ballet Suite by Elena Kats-Chernin

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今日の午後、シティのSydney Town Hallへ「Wild Swans Ballet Suite by Elena Kats-Chernin」のコンサートを観に行ってきた。
Children's Tumor Foundationへのチャリティコンサートで、観客は家族連れが多い。
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ブラスバンドはNSW Police Band、弦楽器はInner West Youth Orchestraが務め、たくさんのバレエ、ダンスグループが参加した。ダンサーは子供たちが多く、モダンバレエから、K-POPまで様々。
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休憩の後、第二部はメインの「Wild Swans Ballet Suite」。作曲者のElena Kats-Cherninもステージに上がって挨拶していた。
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Wild Swansはバレエのための12の組曲。何度も聴いているが、やはり踊りが入ると印象が違って面白い。

最後は全員がステージに上がって挨拶。休憩を含めて3時間のコンサート、とても楽しめた。
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2024年10月31日

Ngarra Burria:First Peoples Composers Concert

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昨夜は、Ensemble Offspring主催のNgarra Burria:First Peoples Composers Concertを聴きに行ってきた。
会場は、シティのABC(Australian Broadcasting Corporation)のEugene Goossens Hall。
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"Ngarra Burria"はアボリジニの現代作曲家の曲を演るコンサートシリーズで、もう7年くらい続いている。

Ensemble Offspringのコンサートはいつも他では聞けないユニークな音楽が聴ける。この日も、1時間半、楽しめた。
最後の曲は、James Henryの組曲「Dreamscapes」から、第三楽章"Big Swell"。

2024年10月19日

George Gershwin's「An American in Paris」

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昨日はオペラハウスへコンサートを聴きに行ってきた。
友人のフェイが自分が行けなくなったチケットを譲ってくれた。彼女は股関節の手術をして、まだリハビリ中なのだ。
久しぶりのオペラハウスのコンサートホールで、心が踊る。天気が良ければ窓の外から真っ青なシドニー・ハーバーが見れるのだが、あいにくの雨で灰色だ。
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今日の演目は、ストラヴィンスキー、ラヴェル、ガーシュインと、とても良いセレクト。The Roaring Twenties(激動の20年代)と呼ばれた時代、第一次世界大戦が終わり、モダニズムが始まった時代、クラシックがジャズと出会った時代の音楽だ。
ブローシャーが良くできていて、読み応えのある解説が載っている。
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1961年に80歳のストラヴィンスキーが、オーストラリアへ来て、オーケストラと交流したそうだ。
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コンサートホールはほぼ満員の入り。昼間の公演なので、ハイスクールの生徒たちも先生に連れられて来ていた。
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1曲目は、Stravinsky「Pulcinella」
いい曲だが、バレエ音楽なので、やはりダンサーがいてほしい。
これはかなりモダーンなバレエ。

2曲目は、Ravel「Piano Concerto for the Left Hand」
左手だけで弾いているとは思えないほど、 素晴らしいピアノだ。

最後は、Gershwin「An American in Paris」
軽快でミュージカルっぽい名曲だ。

途中休憩はなく、1時間半くらいのコンサートだったが、とても楽しめた。
指揮者が曲間でお喋りし、うまく観客を笑わせていた。この日の演目にピッタリだ。ちなみに演奏の前の挨拶は、コントラバスーン担当の日本人女性だった。

2024年10月06日

Miriam Hyde - Music and Poetry Celebratory Concert

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今日は友人と一緒に、「Miriam Hyde - Music and Poetry Celebratory Concert」を聴きに行ってきた。会場はBurwoodのSt Paul's Anglican Church。駅前はすっかりチャイナタウンになってしまったが、この教会がある辺りからは、昔ながらの大きな家がまだたくさん残っている。
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ミリアム・ハイドは1913年生まれ、2005年に91歳で亡くなった。オーストラリアを代表するピアニスト・作曲家・詩人だ。彼女が作った曲は、ピアノ、フルート、オーボエなどのソロでの曲から、シンフォニー、歌曲まで幅広い。彼女の曲はどれも可愛らしさがある。
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Miriam Hyde performs "The Fountain" on Sunday Afternoon with Peter Ross

ミリアムが自分の曲「Study in Blue White and Gold」を弾いてみせた映像。この時、彼女は88歳なのだが、指の動きはまだまだ素晴らしい。

今日のコンサートでも演った「Sonata for Flute and Piano (1962)」

教会の中の狭いステージなので、器楽はソロからトリオまで、歌はソプラノとバリトンのみだが、途中休憩を挟んで3時間、彼女の曲と詩を堪能した。

2024年08月24日

TMO Percussion Chamber Music Ensemble Concert

今日は、TMO(The Metropolitan Orchestra) Percussion Chamber Music Ensemble Concertを観に行ってきた。
Inner West Chamber Music Festival 2024の一環で、パーカッションの無料コンサート。
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会場は、シティの西部にあるイタリア人街、LeichhardtのTown Hall。1888年に建てられた美しい建物だ。
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4人のミュージシャンが、Marimba、Xylophone、ドラムスを、ソロからデュオ、4人のアンサンブルまで、様々な形態で聴かせてくれた。
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まずは、有名なVittorio Montiの「Czardas」。


フランスの作曲家Emmanuel Séjournéの「Losa」。

Emmanuel Séjournéの「Attraction」は、僕の大好きなパーカッショニストのChristoph Sietzenもやっていた。


オーストラリア人で、ラスヴェガスに住んでいるAlex Stopaという人の 組曲「Three Scenes From The Desert」は初めて聴いたが、なかなかいい。
「Red Rock Canyon- "Three Scenes From The Desert"」

彼はこんなパフォーマンスもやっていて面白い。
「Floor Play for body percussion quartet」


それから、Charles Steeleの「Duet for Tom Toms」はノリが良い。

1時間ちょっとのコンサートだったが、普段あまり聴くチャンスのない曲をたくさん聴けて楽しかった。

2024年08月13日

Pekka Kuusisto&Gabriel Kahane

昨夜は、Pekka KuusistoとGabriel Kahaneのコンサートを観に行ってきた。会場はシティのAngel Place。ここへ来るのは久しぶりだ。
ステージ中央には、古いハルモニウム、右手にPekkaのヴァイオリンとエレクトリック・ヴァイオリン、左手にGabのピアノとギターがセットされていた。


Pekka Kuusistoはフィンランドから、Gabriel Kahaneはアメリカからやってきて、遠く離れたここオーストラリアで一緒にコンサートをしているのが面白い。
去年、フィンランドのヘルシンキへ行った時、Helsinki Philharmonic Orchestraのコンサートで、ペッカの素晴らしい演奏を聴いた。
この夜は、ヴァイオリンやハルモニウムを弾き、歌い、口笛を吹き、エレクトリック・ヴァイオリンにエフェクターをかけて轟音ノイズを撒き散らし、一杯おしゃべりして楽しそうだった。


最後の方では、ペッカの十八番、フィンランドの民謡「Piupali Paupali」も演ってくれた。もちろん観客も一緒に歌う。


彼らの作る音楽はとても自由だ。
クラシックとかフォークとか現代音楽とか、ジャンル分けなんかどうでもいいし、ヴァイオリニストが歌っても、フォークシンガーがオペラを歌ったり指揮をしてもいい。
musicianであることに真摯に向かい合い、今尚成長し続けている、そんな二人が大好きだ。

2024年05月19日

Mendelssohn「Elias」

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昨夜、シドニー・オペラハウスで聴いたメンデルスゾーンの「Elias」は素晴らしかった。
さすが、ヘンデルの「メサイア」、ハイドンの「天地創造」と並ぶ、オラトリオの傑作だ。
会場はコンサートホールで、改装された天井が美しい。
フルオーケストラに、4人のソロ歌手と400人の合唱団が加わるステージは壮観だ。この合唱団に友人のスーが参加している。
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構成がドラマチックなので、休憩を挟んで、2時間の上演時間が、あっという間に感じられた。
youtubeには全編が上がっているが、これは一部分で、ソプラノのアリアとコーラス。

バリトンのソロも感動的。
これは、ディートリッヒ・フィッシャー=ディースカウの名演。
Dietrich Fischer-Dieskau「It is enough」


余談だが、英語表記だとElijahで、イライジャと読むのだが、ドイツ語の原題のElias(エリアス)の方が馴染みがあるなあ。

2024年04月15日

Strathfield Symphony Orchestra「Enigmas」

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昨日は、Strathfield Symphony Orchestraの定期公演を聴きに行ってきた。
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事前に発表されていた3曲の演目の前に、Deborah Cheetham Fraillonの「Tarimi Nulay(Long Time Living Here)」がクインテットで演奏された。
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Deborahはアボリジニのオペラ歌手&作曲家で、この曲はここに生きる人達の大地への感謝の歌だ。

音楽監督&指揮の村松貞治さんが登場し、
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まず一曲目は、Fanny Mendelssohn Henselの「Overture in C Major」。優美でかつ序曲らしい力強さを兼ね添える曲だ。ファニーは、有名な音楽家フェリックス・メンデルスゾーンの姉で、女性作曲家のパイオニアである。

続いては、Mozartの「Symphony No.38(Prague)」。文句なしの名曲なので、いつどう聴いてもいいものだ。

ここでインターヴァル。隣室に移動して、皆でお茶とお菓子。渾身の指揮で汗びっしょりの村松さんや演奏家たちとおしゃべりできるのは楽しい。
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最後の曲は、Elgarの「Enigma Variations」。『謎の変奏曲』の名に相応しく、変化に富んだ曲調が素晴らしい。これはティンパニーが轟く、最後の「Finale」。

いつもながら、村松さんのエネルギッシュな指揮とオーケストラの見事な演奏を堪能した。
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2024年03月25日

Buddhadatta

土曜日の夜、友人のスーの家で一泊させてもらい、翌日の午後、シドニーへ戻ってきた。
日曜日の夜は、St PetersのMoshPitでBuddhadattaのライヴ。
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ブッダダッタは、3人組のパンクバンド。メンバーは名古屋と大阪に住んでいる。
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彼らはいろいろな国でライヴを演っているが、オーストラリアへは何度も来ているとのこと。彼らとは初対面なのだが、とても気さくで話しやすい。60歳前後なので、聴いてきた音楽も僕とかなり共通している。1980年頃のアンダーグラウンドロックの懐かしい話をたくさんした。
Vo&ギターのVogli坊主は、顔見知りの客と挨拶したり、物販も忙しそうにしていた。
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セットリストを確認中のドラムのタカミ。40年以上前はコンチネンタル・キッズで活躍していた。
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3人ともステージ衣装は着物姿。虚無僧の籠をかぶってステージに立ち、ホーミーの唱法を取り入れたりしている。
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轟音だが演奏がしっかりしているので、聴き苦しくない。客をノセるのもうまい。
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「仏の鳥」

パンク坊主と自称するように、お経や仏教の故事を歌にしているが、アルバムにはこんな曲もあって面白い。
「芋の別れ」

彼らは路上でバスキングもしている。これは去年、シドニーのシティのど真ん中、Pitt Streetで。
「死と智慧」

彼らはシドニーの後、クイーンズランドでライヴをやるとのこと。またいつかどこかで再会したいものだ。

Eleanor McEvoy

オペラの後、Everglades Clubへ移動して、Eleanor McEvoyのライヴ。
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彼女はアイルランドの有名なシンガーソングライター。ギター、ピアノ、ヴァイオリンを駆使し、アイリッシュからシャンソンまで、様々な歌を聞かせてくれた。
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彼女のヒット曲の一つ、「Only A Woman's Heart」

「The though of you」の映像を見るとアイルランドへ行きたくなるなあ。

Opera in the Arboretum 2024

土曜日の午後は、うちから2時間ほど北に走った所にあるPearl Beachでオペラ。年一回、オペラ歌手4人とオーケストラが、森の中でオペラの名曲を披露する。
午後3時スタートだが、皆、ピクニックの用意をしてきて、早くから飲み食いしている。
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人が奏でる音楽が風の音や鳥の声、落ち葉を踏む足音と混じり合い、自然と溶け合うような開放感がある。
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全32曲、午後6時まで堪能した。

2024年03月15日

Montz Matsumoto Home Concert

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昨日の午後、Montzさんのホームコンサートをうちの一階のリヴィングルームで開催した。暑い日だったが、友人たちが20人ほど来てくれた。
Montzさんの音楽スタイルは、ブルーグラスから、ケルティック、フォークなど幅広く、英語の歌、日本語の歌もあり、聞き手を飽きさせない。キーの違うバンジョーを2台駆使し、おしゃべりもうまく、曲の説明や興味深い話題が楽しい。観客も、楽器をやっている人が数人いて、それどうやって弾いているの?とか、気軽に聞いたり、休憩を挟んで2時間、堪能した。
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終わってから、二階へ移動し、ワインとつまみ、ケーキを食べ、さらに2時間近く、皆でおしゃべりしていた。
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2023年12月02日

Lurline Chamber Orchestra at Randwick Town Hall

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昨夜はRandwick Town Hallへ、Lurline Chamber Orchestraのコンサートを観に行ってきた。
Lurline Chamber Orchestraは、11人によるストリングス・グループ。ローカルでも活躍しているので、今まで何度かライヴを観た。
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こんな演奏をする。
Elgar Serenade 1st movt

この日のプログラムは、
Grieg: Holberg Suite
Sarasate: Navarra
Rachmaninov: Vocalise op.34 no 14
Karl Jenkins: Palladio
どの演奏も良かったが、僕が気に入ったのは、
サラサーテの「ナヴァラ」と、

カール・ジェンキンスの「パラディオ」
Karl Jenkins: Palladio - Concerto Grosso for String Orchestra

アンコールにハチャトゥリアンの「剣の舞」を演ってくれて、とても充実した1時間半だった。
コンサートの後、会場に来ていた友人のフィリッパに会った。彼女は今、Randwickの市長として忙しくしている。コロナで中断していたこのコンサート・シリーズを再開してくれたのは嬉しい。

2023年11月27日

「The Birds」Strathfield Symphony Orchestra

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昨日は、Strathfield Symphony Orchestraの定期演奏会に行ってきた。「The Birds」と銘打たれたコンサートで、鳥にちなんだ曲が選ばれている。
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Hydenの交響曲第83番(La Poule:めんどり) と、Beethovenの交響曲第6番(田園)も良かったが、僕が一番気に入ったのは、二曲目に演ったRalph Vaughan Williams(レイフ・ヴォーン・ウィリアムズ)の「The Lark Ascending(舞い上がるひばり)」。
ソロのヴァイオリニストはNara Leeという若い女性で、揺らぎの多い演奏だった。下のナイジェル・ケネディとは全然違うが、まあ、これはこれで良かった。

特別のアンコールにチャイコフスキーのSwan Lakeを演ってくれて、これで今年のコンサートは終わり。
音楽監督・指揮の村松貞治さんに、来年の公演も楽しみにしていますと挨拶してお別れした。
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2023年11月05日

「Acacia Quartet」Glebe Music Festival

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今日の午後、Acacia Quartetのコンサートを観に、Glebe Town Hallへ行ってきた。Glebe Music Festivalの一環として、この3週間ほど、あちこちでコンサートが開催されている。Town Hallへ歩いていく頃、ちょうど雨がやんでくれてよかった。
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会場は二階のメインホール。
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1曲目は、オーストラリアの若い音楽家、Alice Chanceの「Precious Colours」。とても良い曲だが、これはやっぱり、このVoヴァージョンのほうがいいかな。

2曲めは、ベートーヴェンの「弦楽四重奏曲第1番」。これは定番曲。ウイーンのAlban Berg Quartettの演奏がyoutubeにあった。

ここで休憩。飲み物とケーキをつまみながら、皆でおしゃべり。
後半のメインはシューベルトの「死と乙女」。これも名曲なので、誰がどう演ってもいいものだ。同じくAlban Berg Quartettの演奏で。

アンコールに演ってくれたワルチング・マチルダは、斬新なアレンジで、すごかった。youtubeにないのが残念。
かなり激しい演奏で、全曲終わった後は、皆汗だくだ。
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Acacia Quartetはもう10年以上続いている。定番曲の他に、オーストラリアの新しい作曲家を取り上げてくれるのは嬉しい。

2023年08月18日

Neo Japanism : A Concert of Anime Favourites

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昨夜は、アニメ曲のコンサートを観にいってきた。会場は、Burwood Uniting Church。すっかりチャイナタウンのようになってしまったBurwoodのメインストリートにある。
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演奏するのは、音楽監督・指揮の村松貞治さんが指導している若い学生たちだ。
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曲名がスクリーンに映し出されるのでありがたい。
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昔懐かしいルパン三世やヤマトから、セーラームーン、エヴァンゲリオン、もののけ姫、ハウル、
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進撃の巨人や鬼滅の刃まで。
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一緒に連れて行ったアニメーターとコスプレイヤーも喜んでいた。
ただちょっと残念だったのは、もう少しアニメ曲っぽい音の厚みや輝きが欲しい、パーカッションやブラスがあればいいのと思ってしまった。これはないものねだりだが。

2023年07月11日

パンタが逝ってしまった

パンタ(中村治雄)が、7月7日に逝ってしまった
数年前から肺がんを患っていて、入退院を繰り返していた。そのころの様子はパンタ自身がnoteで書いていて、危篤状態でも意識があるうちは病院で曲を作っていたそうだ。
退院してほどなく開催された6月14日のステージが最後になった。その10日前のライヴの一部がyoutubeにアップされている。

パンタは杖をついてステージに上がり、イスに座って、酸素吸入機を片手に歌っていた

50年以上前、パンタとトシが始めた頭脳警察は、権威と権力に抗い、そして、歳を経た自分たちがそうなることにも抗い、社会がほんの少しでも良くなることを願って歌い続けてきた。
「プラハからの手紙」

「マーラーズ・パーラー」


自分が尊敬する人や愛する人が逝ってしまうことは悲しい。もう会えない、触れることができない、声も聞けないことが、ただただ悲しい。パンタはミュージシャンとして、見事な一生を終えた。お疲れ様でしたとか、ゆっくりお休みくださいとか、逝ってしまった人にはかける言葉がない。ただ、悲しみと、ありがとうという感謝の気持ちが心に残る。そして、彼が残してくれた歌を、僕がこれからも聴き続けていくことは確かだ。
「万物流転」

2023年07月02日

「One Hit Wonders」Strathfield Symphony Orchestra

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今日は、友人たち3人と一緒に、Petersham Town Hallへ、Strathfield Symphony Orchestraの定期公演を聴きに行ってきた。
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音楽監督・指揮者の村松貞治さんが選んだのは、スメタナの「モルダウ」、バーバーの「弦楽のためのアダージョ」、デュカスの「魔法使いの弟子」に、最後は、フランクの「交響曲 ニ短調」。「One Hit Wonders」と題されたコンサートにふさわしい、名曲揃いだ。
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どの曲も良かったが、特に気に入ったのは、
Samuel Barber:Adagio for Strings
『saddest classical work』と言われている短い曲だが、ピュアで美しい。

それから、
César Franck:Symphony in D Minor
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ダイナミックかつ優美な旋律に感嘆した。第2楽章の冒頭は可愛いし。

途中の休憩時間には、お茶とお菓子、サンドウイッチが振る舞われ、2時間、素晴らしい時間を堪能した。
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2023年06月26日

Celestial Emu with Symphony Central Coast

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昨日の午後、「Celestial Emu(セレスティアル・エミュー:天空のエミュー)」と題された、コンサートを観てきた。
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アボリジニが何千年も語り継いできた星の物語「Emu in the Sky(空のエミュー)」をベースにしている。

途中、20分の休憩をはさみ、2時間のステージ。
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フルオーケストラと合唱にアボリジニの語り、歌、パーカッションを加えた音楽、さらに、近代天文学の知見と天体望遠鏡の映像をスクリーンに映し出すという、マルチメディア・ステージだ。歌詞も字幕を出してくれるのでありがたい。
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合唱は少しずれがあったりして残念だったが、演奏は素晴らしく、ユニークな試みで面白かった。

2023年05月30日

Ensemble Offspring@The Church

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昨夜は、Ensemble Offspringのコンサート&トーク・イヴェント「Mondays@The Church 2: Reconciliation」を観に行ってきた。
会場はThe Churchという、元は古い教会。Redfern駅から徒歩10分くらい、昔はかなり怖かったエリアにある。
Ensemble Offspringというグループは、パーカッショニストのClaire Edwardesが主宰で、メンバーは流動的。ベースはクラシックだが、面白い音楽を創り出している。
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たとえば、Winangaylanha(An Acknowledgement)。Nardi Simpsonの声が強く美しく、素晴らしい。

30分ほどの演奏の後、4人のミュージシャンがステージに登場し、今夜のテーマ「Reconciliation」に」ついて語り合った。Reconciliation(和解)は、アボリジニと侵略者との和解を指す。このテーマが選ばれたのは、5月27日から6月3日に全国で開催されている「National Reconciliation Week」へのレスポンスなのだろう。

彼ら4人は、アボリジニの血だけではなく、イギリスやスコットランド、オランダなどとのミックスであり、侵略した者とされた者、どちらの血筋も流れている。センシティヴな話題だが、Reconciliationに対しての率直な意見が聴けて、興味深かった。

2023年05月28日

Yothu Yindi@Vivid Sydney 2023

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昨夜は、Vivid Sydneyを観ながら、シティの西側のDarling Harbourへ。
巨大なカエルとか
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天井に張り付いた金色のミドリムシとかを見ながら、
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野外ステージへ。
この夜のお目当ては、Yothu Yindi(ヨス・インディ)のライヴ。もう40年近くやっているバンドだ。
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ベースやドラムの低音が身体にずんずん響く。やっぱりある程度大きなステージはいいな。
1時間ちょっとの演奏だったが、大盛り上がり。こんな楽しいライヴが無料で観られるのはありがたい。
これは彼らのヒット曲「Treaty」。

Vivid Sydneyの期間中は、クラシック、ジャズ、フォーク、ロックからアボリジニやアイランダーの音楽まで、いろいろなライヴが観られる。また何か観に来たいものだ。

2023年05月21日

Gypsy Swing Soiree with Charlie McCarthy

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昨日、Charlie McCarthyのライヴを観に行ってきた。
会場はChurch Street Studio。シドニー大学の裏にある古い建物で、昔はアニメーションスタジオだったそうだ。
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古い楽器があちこちに飾ってあり、内装が面白い。
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飲み物などを自分で持ち込んでもよく、ホームコンサートと普通のライブハウスとの中間のような、気楽な感じがいい。
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チャーリーはヴァイオリニストで、タスマニアに住んでいる。この日はクラシックではなく、いわゆる、Gypsy Jazzというスタイル。ヴァイオリン、ギター2台とダブルベースの4人で演る。
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彼はあちこちでヴァイオリンの教師やワークショップもやっているので、しゃべるのがうまい。この日も曲やどうやって弾くかとか、いろいろ解説してくれた。
これは去年、タスマニアのホバートでのセッション。
Salamanca Gypsy Jazz Sessions at the Salamanca Arts Centre

1時間と、短いライヴだったが、また機会があれば聴きたいものだ。

2023年04月08日

Marialena Fernandes Piano Concert

昨夜は午前3時に起きて、ステイしていた人を空港へ送って行ったので、一日中眠たかった。
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少し仮眠した後、午後、うちの近所の小さな教会へ、Marialena Fernandesのピアノコンサートを聴きに行ってきた。
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マリアリーナはインド生まれのピアニスト・大学教授で、今はウィーンに住み、コンサートやレッスンで世界中を飛びまわっている。
シドニーの友人のシルヴィアがオーガナイズして、今回のコンサートが実現した。
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これは彼女のインタビューと紹介ビデオ。
music as inclusive art - a film about Marialena Fernandes


マリアリーナはサリー姿で登場。
バッハから始まり、ベートーヴェンやショパンなどを経て、バルトーク、ショスタコヴィッチで終わるという、なかなかバラエティに飛んで、かつ親しみやすい選曲。一曲ごとに解説してくれる。
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途中、イスラエル人の女性歌手と一緒に、歌ものを2曲、ピアフの「Hymne à l'amour」と、
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イスラエル民謡の「Shalom Chaverim」を演った。

Shalomは原曲もいいが、ダーク・ダックスの「シャロームの歌」もいい。


バルトークの「Allegro Barbaro」はいつ聴いてもカッコいい。

後年ELPがロック仕立てにしたのも、このリズカルな曲にぴったりだ。
Emerson,Lake&Palmer「Barbarian」


1時間15分、ピアノと歌を堪能した後、ホールへ移動して、お茶とお菓子をつまみながら、皆でおしゃべり。
マリアリーナやシルヴィアとも話せて楽しい一時だった。
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2023年04月02日

Strathfield Symphony Orchestra「Brahms 1」

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昨夜は、Strathfield Symphony Orchestra定期公演の「Brahms 1」を聴きに行ってきた。
会場は、いつものStrathfield Town Hallが工事中なので、Petershamの方で開催された。
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このタウンホールも歴史的な建造物で美しい。
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ストラスフィールドよりも広いので、大人数のオーケストラにはぴったりだ。
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1曲目は、Miriam Hydeの「Kelso Overture」。

彼女はオーストラリアの有名なピアニスト・作曲家・詩人で、2005年に92歳になる直前で亡くなった。
軽快なOvertureもいいが、可愛いピアノ曲も好きだ。これは彼女が亡くなる4年前の演奏。


2曲めは、Bizetの「Carmen Suite 1 and 2」。
カルメンはもういつ聴いてもカラフルでキャッチー。
"Habanera"もいいが、"Chanson Boheme"もいい。

曲が早いので、演る方は大変だ。
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ここで休憩。ホールには、つまみと飲み物が用意され、皆と立ち話ができる。
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最後は、Brahms「Symphony No.1」。
冒頭のティンパニが大迫力だ。
この曲の名演はたくさんあるが、小澤征爾とサイトウ・キネン・オーケストラの演奏が気に入っている。もう30年以上前の録音だが、音の密度が濃い。

奏者も指揮者の村松貞治さんも汗びっしょり。
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2時間近く、素晴らしい音楽を堪能した。次回の公演も楽しみだ。

2023年03月26日

Keith Potger Live at Woy Woy

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今日は一日、Ettalong Beachに住んでいるスーのところに遊びに行ってきた。スーの家に来るのは久しぶりだ。
ランチをご馳走になり、夜は、Keith Potgerのコンサートを観てきた。会場は近くのWoy Woyにあるローカルクラブで、満員だ。
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キースは、The Seekersのギターリストで、60年以上のキャリアがある。もう82歳だが、まだまだ声も出ているし、身体も動く。何より、ステージの構成が見事だ。様々な曲を組み合わせて飽きさせず、途中で差し挟む昔のエピソードも面白い。休憩を挟んで1時間半、素晴らしいライヴだった。


The Seekersは、オーストラリアのフォークソングのトップグループで、60年代から活躍していた。イギリスにも進出し、ビートルズやストーンズと競演していた。リードシンガーのJudith Durhamは去年亡くなってしまったが、他のメンバーの男たち3人はソロで活躍している。

この日、キースはThe Seekersの曲のうち、第三の国歌とも言える「I am Australian」は演らなかった。
たぶんあの曲はソロではなくThe Seekersとして演るのが一番いいのだろう。

2022年11月27日

Strathfield Symphony Orchestra「The Scots」

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昨夜は、Strathfield Symphony Orchestraの「The Scots」というコンサートに行ってきた。
会場のStrathfield Townhallは満員だ。
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一曲目は、Tracy Burjanという作曲家の「Highland Echoes」。このコンサートのために作られたそうだ。
ドラムや笛が活躍し、スコットランドの民謡や有名なフレーズを散りばめた可愛い曲だ。
Tracyは会場に来ていて、挨拶をし、拍手喝采を浴びていた。
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二曲目は、ドイツの作曲家Max Bruchの「Scottish Fantasy」。

この夜、ヴァイオリン・ソロを務めたのは、特別ゲストのAiko Goto。彼女は長年、ACO(Australian Chamber Orchestra)のメンバーとして活躍している。
あいこさんの演奏を初めて聴いたのは、21年前。ヘレンと一緒に行った、シティにある小さなジャパニーズ居酒屋だった。開店記念か何かのイベントで、ACOのHelenaと二人でのカジュアルなステージだった。小学生かと見紛うほど小柄な彼女は、自分で持ってきた台の上に乗ってヴァイオリンを弾いていた。
そのエネルギッシュで表情豊かな演奏は今も変わっていない。

短い休憩の後、最後はMendelssohnの「Symphony No.3 "Scottish"」。
これが実にエモーショナルなメンデルスゾーンで、皆ノリノリで演奏していた。

終わってから、汗びっしょりの指揮者・音楽監督の村松貞治さんと少し立ち話した。
今年の公演はこれですべて終了。来年はどんな曲を演ってくれるのか楽しみだ。

2022年10月31日

Haco Live at Carriageworks

昨夜はHaco(ハコ)のライヴを観に行ってきた。
Hacoは神戸在住、80年代からずっと音楽活動をしていて、その頃は、After Dinnerというバンドを率いていた。
彼女のステージを観るのは40年ぶりだ。
残念ながらAfter Dinnerの動画はyoutubeにもあまりアップされていないが、これは1987年のヨーロッパ・ツアーから。

昨夜の会場はCarriageworks。シティのRedfern駅近くにある、元は操車場だった所だ。無骨な倉庫を残し、アートスペースやカフェとして利用されている。
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中はコンクリートや鉄骨がむきだしになっていて、照明が暗いので廃墟感が怖い。アートが展示されている壁際にステージが組まれていた。
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始まる前、Hacoと話ができて嬉しかった。
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彼女の音は昔のバンド時代よりアンビエントやエレクトロニカ寄りになっていたが、可愛い声は健在だ。
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これは一番気に入った曲。映像もいい。
「Frozen in Time」

良い音楽を聴いた夜は良く眠れる。いつかまた機会があれば彼女のライヴを観に行きたいものだ。
「Whitening Shadows」

2022年09月26日

Strathfield Symphony Orchestra

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昨日の午後は、友人たちと一緒に総勢6人で、Strathfield Symphony Orchestraの定期コンサートを聴きに行ってきた。
この日の演目は、
シベリウス「Spring Song Op.16」
モーツアルト「Symphony No.25」
フォーレ「Requiem」

レクイエムはもちろん素晴らしい曲で、

モーツアルトの交響曲25番は、優美かつダイナミックで、文句なしにカッコいい。

開演前、音楽監督で指揮者のサダさんと挨拶して、立ち話をした。
出演者リストを見ると、ダブルベースがサダさんの娘さん一人しかいないので、大丈夫ですかと聞くと、合唱が入るレクイエムはまだいいけど、他の2曲ではやっぱりちょっと音が足りないねえと嘆いておられたのだが、そんな風には感じなかった。
まだ小学生の娘さんは、大人たちに交じって、自分より背の高いダブルベースを一生懸命弾いていた。

2022年09月12日

Balkan Ethno Orchestra

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昨日は久しぶりに一日中ライヴを観に行ってきた。
午後、Ashfiledのボウリング・クラブへ。この街のメインストリートはチャイナタウンみたいになっているが、少し中に入ると、古い移民たちのコミュニティが生き残っている。
「Culture X Ashfield」というイベントが3日間に渡った開催された。アボリジニからジャズ、サルサなど、様々なスタイルの音楽が聴ける、まさにクロス・カルチャーなコンサートだ。
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快晴に恵まれた芝生の上では、ブルガリアのダンスや
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アボリジニのミュージック・ワークショップなどに参加できる。
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僕が観たのは「Balkan Ethno Orchestra」というバンドで、バルカン半島の国々(ルーマニア、ブルガリア、セルビアなど)の曲を演る。
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Kavalというフルートが尺八みたいな音を出し、こぶしの効いた歌はまるで日本民謡だ。
これはセルビアの民謡「Gusta Mi Magla Padnala」。

ブルガリアの民謡「Kaval Sviri」。 撮影場所は、うちの近くのClovelly Beachの崖の上だ。

バルカン半島(東南ヨーロッパ)はウィーンやパリから遠く離れた辺境と蔑まされてきたが、僕はこの地域の陰影に富む音楽が大好きだ。
もう一つ、「Rhythm Hunters」も観たかったのだが、時間が合わず残念。ジャズに日本の太鼓やバリ島の音楽を混ぜ合わせた楽しいバンドだ。