2013年05月28日

「Song For Marion」Paul Andrew Williams

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今日たまたま見に行った映画「Song For Marion」は、今のぼくらの状況や気持ちにとてもシンクロナイズした佳作だった。
年老いた男が妻の死をきっかけに人間関係をつなぎ直そうとする。といってもクリント・イーストウッドの傑作「グラン・トリノ」のような展開ではなく、もう少し現実味のあるストーリーだ。コミカルな味付けがしてあるので暗くない。

イギリスの田舎町に住むアーサーとマリオンの老夫婦。偏屈者のアーサーは人付き合いが苦手で一人息子ともあまりうまくいっていない。ガンが再発したマリオンは抗がん剤治療を諦め、数ヶ月の余命を過ごすことにした。
マリオンが参加しているコーラス・グループがコンテストに出ることになり、その予選でマリオンはソロでCyndi Lauperの「True Colors」を歌う。
歌なんか歌って何が楽しいとばかり不機嫌そうなアーサーの目を見つめ、彼に呼びかけるように。
- I see your true colors
- And that's why I love you
- So don't be afraid to let them show


マリオンの死後、コーラス・グループを指導するエリザベスはアーサーをグループに引き入れた。
閉ざされていた彼の心が歌うことによって少しずつ変容してゆく。
コンテストの本選、マリオンの代わりにアーサーがソロで歌ったのは、ビリー・ジョエルの「Lullabye (Goodnight My Angel)」だった。
最後の一節は、true colors(本性)を怖れないでというマリオンの呼びかけに応じた彼の返答だ。
- Someday we'll all be gone
- But lullabies go on and on
- They never die
- That's how you and I will be

その晩、アーサーは、マリオンがいなくなって以来寝ることができなかったベッドでようやく眠ることができた。
- You'll always be a part of me
と、思えるようになったに違いない。
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