
オーストラリアでは12月26日のBoxing Day(クリスマス・プレゼントのboxを開ける日)に新しい映画が公開される。「Quartet」はダスティン・ホフマンが75才にして初監督したという話題もあり、映画館はいつになく賑わっていた。
Ronald Harwoodの戯曲をもとに作られたこの映画は、リタイアした音楽家が集うリッチな養老院が舞台。美しい田園風景の中、豪華なマナーハウスで暮らす老人たちの様子が面白いが、何よりも音楽の素晴らしさ、楽しさが伝わってくる。
ストーリーはシンプルで大甘だが、年老いた4人のオペラ歌手が再び同じステージに立つまでの紆余曲折を、イギリスの名優たちが見事に演じている。ラストシーンで4人が歌っている様子を見たかったが。
年をとることはあたりまえのことで、人の思いはそんなに変わらない。
もう若い頃のようには歌えない、あんな声はもう出せないとわかっていても、それでも再び歌いたくなる時が来るのだ。
この映画に出てくる人たちの平均年齢は70才以上だと思うが、こういう爺さん婆さんの姿を見ると元気が出る。
日本にも松苗あけみの「カトレアな女達」という傑作がある。もう25年くらい前のマンガだが、誰か映画化してくれないかな。