2012年07月06日

「The Way」Emilio Estevez


Emilio Estevez(エミリオ・エステヴェス)監督が、実の父であるMartin Sheen(マーティン・シーン)を主役に描いた巡礼の物語。監督自身も息子役で出ている。
主人公のトムは無愛想なカリフォルニアの眼科医。妻を亡くし、一人息子のダニエルは40才近くになっても世界を放浪している。ある週末、ゴルフのプレー中に、ダニエルがピレネー山脈で死んだとの連絡が入り、遺体の確認にフランスへ飛ぶ。
ダニエルは巡礼の旅の途中で死んだという。なぜ息子がそんなことをしていたのかトムにはわからない。わからないまま、トムは息子の遺灰を持って、ダニエルが歩きたかった道を歩いてみようと思う。たくさんの巡礼者と歩きながら、要所要所で遺灰を残してゆく。
この巡礼の道は、カソリックの巡礼者たち(ピルグリムズ:pilgrims)が、スペインのガリシアにある聖地Santiago de Compostela(サンティアゴ・デ・コンポステーラ)を目指すpilgrimage routeで、フランスからはピレネー山脈を越えて800Kmもの距離がある山道である。
日本のお遍路さんと同じように、巡礼者たちは皆何かしら悩みを抱えている。タバコをやめるとか単にダイエットのためとかいう軽い理由から、脳腫瘍が治る奇跡を願う牧師まで様々。
美しいピレネー山脈の風景、各国からやってきた巡礼者たちの会話や巡礼宿の様子(変人の宿主が可笑しい)が面白い。
youtubeには下のように実際に歩いた人たちのビデオが一杯アップされている。この映画のほとんどのシーンと同じだ。


トムは3人の同行者と共にSantiago de Compostelaにたどり着き、大聖堂でスモーク・セレモニーを見る。
巡礼はここで終わりのはずなのだが、キリスト教にコミットしているわけでもない4人は、その後も一緒に海が見える地の果てまで歩いて行く。断崖に立つ4人の前には荒波が打ち寄せる海が広がるばかりだ。この行き止まりから、3人は一人一人別れを告げて踵を返し、自分の人生に向かって歩いて行く。
一人になったトムは海に向かって息子の遺灰をすべてぶちまけ、ごく短い間、両手を合わせて祈る。
どんな宗教とも関係なく、人は祈る。何かを願うことも誓うこともなく祈るのだ。
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