
昨日、エリザベス&クリス、ウイリアムと一緒に、シティのCapitol Theatreでミュージカル「Mary Poppins」を観てきた。
ウイリアムはDVDで映画版を何度も見ているので大喜び。スクールホリディが始まったので、場内は子供たちでいっぱいだ。
下はオーストラリアのTV局で流されたプロモーションビデオ。
メリー・ポピンズは楽しいステージングで名曲揃いだが、ストーリーの背後には結構シビアな状況がある。これは実は家族再生の物語なのだ。
メリー・ポピンズがナニーとして雇われたのはロンドンの裕福な家庭。ガチガチの銀行員の父と政治運動に熱心な母は自分の子供たちと向かい合おうとしない。使用人が何人もいて何不自由ない暮らしの中で、子供たちはネグレクトされている。
仕事のことしか頭にない父は、メリーが来たおかげで平穏な生活がカオスになったと嘆く。それでもメリーと子供たちは周りの大人たちに家族の大切さを再認識させてくれるのだ。
煤と灰だらけになって働く煙突掃除人の悲哀を歌った「Chim Chim Cher-ee」は、そんな社会背景をうかがわせる。
下はイギリスのバンドTurin Brakesによるロック・ヴァージョン。ホームレスの姿がぴったりだ。
最後のシーン、自分の役目を終えたメリー・ポピンズが去って行く時、凧揚げの楽しさを思い出した人々が歌う「Let's go fly a kite」もいい。下は1964年の映画版から。
日長一日うつむいて数字を追いかけている男たちよ、外に出てもう一度凧揚げをやってみないか?