
「Red Dog」の舞台は1970年代の西オーストラリア。Dampierという辺鄙な所にある鉱山で働く男たちと一匹の赤い犬をめぐる実話を元にした映画だ。
オーストラリア各地を始め、東欧やイタリアなどから来た移民たちが、金を稼ぎに大勢やってきて、粗末なトタン小屋やキャラヴァンに住み、毎日土まみれになって働いている。
故郷から遠く離れ、何の娯楽も文化もない土地で、男たちは孤独に苛まれていた。そんな所にやってきた一匹のRed Dogによって、男たちに変化が起きる。金のために働いているだけの根無し草の移民たちの間にコミュニティが生まれるのだ。そんな感動的な瞬間が見られる素敵な映画だ。
この映画でRed Dogを演じたKokoという犬の表情がとてもいい。ケルピーというシープドッグで、とても賢い。うちで飼っていたセイシャを思い出した。

この犬はヒッチハイクの名手で、死んだ主人を探して、北はダーウイン、南はパースまで何度か往復し、なんと日本まで行き、さらにまたDampierへ戻ってきたという。この映画にも長崎の漁港のシーンが出てくるが、ほんまかいな(^^)。
Dampierの町には映画の通りRed Dogの銅像が建っているそうだ。

オーストラリアの経済は今も大地をほじくり返している鉱山業に頼っている。そんなオーストラリアの真の姿を見るのにうってつけの映画である。
下はOfficial Trailer。