
今日は一日、突然曇って雨が降ってきたかと思うと晴れ間が出るといった不安定な天気で、うっとおしい。
おまけに、午後「Never let me go」を観て、気分がどん底に落ち込んだ。カズオ・イシグロ原作のこの映画はとても良く出来ているが、後味が悪い。
背景を説明すると、ネタばれになるが、謂わば「闇の子供たち」が制度化されたイギリスで、特殊な寄宿学校で「飼育」された子供たちの物語だ。まあ基本のアイディアは、昔々たしか星新一が書いていて、それも衝撃的で痛切なエンディングだった。
誰かを助けるために誰かを犠牲にすることは、個人的な選択としてなら受け入れ可能だが、それを制度化してはならないと思う。
強固な制度に支配された人生は絶望的で、自由意志も、選択の余地もないように見えるかもしれない。それでもぼくはそれに抗う人の姿を見たい。人間は粛々と屠殺場へ連れてゆかれる牛とは違うはずだ。
上の写真が主人公の3人。これだけ見ると、ハリー・ポッターの映画みたいだが、実は世にも恐ろしい話である。