ホームステイを受け入れていると色々な国の人からナマの話が聞けて面白い。もちろんわざわざオーストラリアまで来るような人は特殊例だろうし、その人の個人的なバイアスがかかりすぎているかもしれない。それでも本やネットから得る情報とはリアリティが違う。
昨日もホームステイにきたスイス人のアレックスに興味深い話をたくさん聞かせてもらった。19才の彼はチューリッヒ郊外で生まれ育ち、スイス以外には住んだことがない。4人兄弟の末っ子で可愛がられて育ったが、親から離れて、何か自分一人でやってみたいとのこと。今はボンダイ・ジャンクションの英語学校に通っている。
彼はジャーマン・スイスで、第二言語はフランス語。英語もかなりできる。スイスには4つも公用語がある。ドイツ語、フランス語、イタリア語、ロマンシュ語だが、圧倒的にドイツ語(ただしスイス訛り)が主流。彼によるとロマンシュ語はごく一部の山岳地帯でしか使われていないし、イタリア語も地域が限られるので、今は英語のほうが汎用性があるとのこと。パスポートも独・仏・伊・英の4ヶ国語表記だ。
スイスは今もEUに参加せず、ヨーロッパのど真ん中で大国に囲まれて孤高を貫いている。指標や調査者によって多少違いがあるが、一人当たりのGDPで、スイスは5位くらい。20位くらいの日本より遥かに豊かな生活を送っている。
スイス人にスイスの文化や社会について聞くと、皆、同じようなことを言う。一般的にスイス人は几帳面で清潔好き、保守的で人間関係のガードが固く、自分のテリトリーから出ようとしない。生活保護や社会保障が整っているため、まともに働かない人も多い。退屈を紛らわすため簡単にドラッグに手を出す。
そして、スイス人はあまりハッピーではないとアレックスは言う。どうして?と聞くと、たぶん恵まれすぎているから、という答え。
経済的に豊かで保障が行き届いた社会でも、それだけじゃ人は幸せになれないのだろうか? 何が足りないのか、何が過剰なのか?
2010年12月05日
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