
「Lochiel House(ロシェル・ハウス)」
1259 Bells Line of Rd, Kurrajong Heights
Kurrajong NSW 2758
Phone (02) 4567 7754
http://www.lochielhouse.com/
このレストランはシドニーから車で2時間くらいかかる山の中にある。Kurrajong Heights(カランジャン・ハイツ)というブルーマウンテンの一郭だ。シドニー方面から行くとKurrajong Heights Hotelの手前になる。目立たない看板しかないので、うっかりすると通り過ぎてしまう。1825年築の古い家を改造した小さなレストランで、店内はとても居心地が良い。裏庭にはコートヤードもあるのでランチにもいいだろう。
ぼくらが訪れたのは2009年4月11日のディナー。次女のアナの誕生日を祝って8人で予約しておいた。奥の方に他のテーブルからちょっと離れた別室があり、8人までならパーティーで使えるようになっている。

ぼくとヘレンは予約時間よりもかなり早く着いたのでシェリーを飲みながら待っていた。サービス担当の女性3人はとてもフレンドリーかつスマートだ。読み物を持ってきてくれたり、何かほしいものがないかと聞きに来てくれたり、さりげなく気配りをしてくれる。
アナ&エイドリアン、エイドリアンの両親のベルナデッタ&イーアン、エイドリアンの妹とボーイフレンドのモニーク&グレンがやって来て、早速メニューとワイン選び。前菜は一律$20、メインは平均$32、デザートは一律$10と、このクラスの店としては安い方である。

ここの料理のスタイルはいわゆるモダーン・オーストラリアン。フレンチをベースにアジアンテイストを加えてある。シェフはかの「ロック・プール」でニール・ペリーの下で働いていたからその影響もあるのだろう。
メニューの品数は多くない。前菜が5種類、メインは魚、チキン、ポーク、ビーフ、ダックが1種類ずつ。日本、中国、バリ、ネパール風のアクセントが付けられているようだ。今夜は食後にベルナデッタ&イーアンの家に行ってケーキを食べることになっていたので、デザートはパスし、前菜とメインを選んだ。
エイドリアンが選んだワインは、カベルネ・ソーヴィニヨンにネビオロを少し加えてあり、イタリア風。コクがあってかつまろやかで口当たりがいい。$48とそれほど高くない。

オーダーの後、まずは自家製のパンを持ってきてくれた。生地にポテトを入れてあり、ちょっとほくほくした感じがいい。やっぱり焼きたては美味しい。バターにはハーブとトリュフオイルを混ぜてある。このパンとバターは今までオーストラリアで食べた中で一番美味しかった。

ぼくが選んだ前菜にはびっくり。なんと茶碗蒸しであった。メニューにホタテとトリュフにDashi custardと書いてあったが、まさかここまで直球の茶碗蒸しとは思ってもみなかった。お皿のプレゼンテーションも日本風だ。

刻んだホタテに、卵と相性が良いトリュフなのだから、もちろんとても美味しいのだが、日本では茶碗蒸し一つに2000円は払わないと思うと複雑な気持ちになる。フレンチの定番「フォアグラとトリュフのフラン」の廉価版ではないかという疑いもあるし(^_^;)。
他の人が頼んでいたものでは、ネパールのモモ、ゴートチーズのスフレが美味しそうだった。
メインはダック・ブレストにした。火の入れ方が見事で、ナマぎりぎりのミデイアム・ロゼに仕上がっていた。小さなイチジクの甘味がいいアクセントになっていて、あっという間に食べてしまった。

下はヘレンが頼んだビーフ。一口もらってみたが、ジューシーなフィレでソースも美味しい。上にはエノキダケ、下にはレンズ豆という組み合わせもなかなか面白い。

気がつくと店内は満員。こんなレストランで茶碗蒸しを出す度胸のあるシェフと話してみたかったのが、キッチンは大忙しなので諦めた。ここのキッチンはトイレと向かい合わせなので、様子がよく見えるのだ。
食後は皆でベルナデッタ&イーアンの家へ移動。ベルナデッタはアーモンドとオレンジのケーキ(卵白だけで粉は使っていないそう)とクルミを入れたチョコレートケーキ、モニークはマフィンを作ってくれていた。ここでまたアナのバースデイを祝って乾杯。満腹のお腹を抱えておいとましたのは真夜中だった。

このパンとバターはほんとに美味しそうだなあ。
全体的に値段が高いと思ってしまうのは、私が美味しいのに安いフレンチしか
食べないからかな。
茶碗蒸しが出てきたときはそりゃあびっくりしたよね。まんまじゃない。
ヤギのチーズのスフレはいいなあ。
でもこの鴨もとてもおいしそう。
この量は少ないと思うなあ。
ベルナデッタのケーキも美味しそう!
他の国で日本並みの味と質を求めるともっと高く付きます。美味しいモノはそれなりに高いのです。
ダックはスライスした胸肉を3枚ずつ重ねて二つのタワーを作っていたので計6枚、結構ボリュームがありました。
たぶんこれ以上量を増やすと普通の人はデザートが食べられないでしょう。