まだ梅雨入りしていないというのに、今日の奈良はもう夏のように、青空と熱い太陽がまぶしかった。
夜に叔母のお見舞いに行き、僕と妹が声をかけると、目を開けてくれた。
少し微熱はあるが、痛みはなさそうで、尿もきちんと出ていて安心した。
いつもの様にナースステーションで、今日一日の叔母の容態を聞いた。
なんと、今日は車椅子に乗ることができたそうだ。
寝たきりだと、すぐに身体が硬直するので、看護師さんたちは、叔母にできるだけ体位交換するよう努めていてくれる。
叔母が少しでも身体を動かせるようになったのはうれしい。
僕らが帰るとき、また明日ねと告げると、叔母は微笑んで小さく手を振ってくれた。
叔母の姿を見るのは明日で最後だろうと思うと涙が出そうになった。
これと言って何もできなかった1週間は、長かったよねぇ。
何もできないのは辛いね。