
朝一でヘレンの容態を確認したところ、自力では立つこともできなくなっていた。
様子を見に来てくれたエリザベスとも話し、状態が悪くなったヘレンをこれ以上放っておけないので、救急車を呼んだ。

ヘレンと一緒に救急者に乗り、すぐ近くの大病院のエマージェンシーへ。
ヘレンは救急病棟のベッドで横になり、診察を受けた。
血液検査をし、hypercalcemia(高カルシウム血症)になっていることがわかった。
骨に転移したガンの影響で、カルシウムが骨から血中に溶け出しているのだ。
去年の7月、クイーンズランドの家に居るときも、同じ症状になり入院した。
カルシウムのレベルを下げ、脱水症状を軽減するため、まずは生理食塩水1Lを4時間かけて点滴した。
病室の準備ができたので移動し、また1Lを点滴し始めた。

午後四時、担当のオンコロジストとナースが様子を見に来てくれた。
この頃になると、ヘレンは椅子に座って、話をすることができるようになっていたので一安心した。
今は、血中のカルシウムを正常に戻すこと、タペンタドールを飲んで痛みを抑えること、この2つだけに注力するとのこと。
明日は少しでも元気になってくれるといいが。