
Dubboで最も古くから有名なのは刑務所だ。1870年頃から1966年まで使われていた。今は「Old Dubbo Goal」というミュージアムになっている。goalはゴールではなく、jailと同じくジェイルと発音する。このダボ・ジェイルの周辺はショッピング・モールで、入り口は、囚人の入った樽に腰掛けた監視人の人形が目印。

これが刑務所の敷地内と監房。まわりは高いレンガ塀で囲まれている。


刑務所内の所々には人形が置かれ、センサーで動いたり、解説のテープが流れて、囚人の生活がよくわかる。

6時起床、3食きちんと食べて6時間半の労働、夜は9時消灯と聞くと、とても健康的な暮らしのようだが、実際はかなり悲惨なものだった。こんな板の上に敷かれた薄い敷物と毛布一枚では、寒くてたまらなかったに違いない。

ぼくもここで実際に寝ころんでみたが、固い板の上では寝心地は最悪だ。シドニーのHyde Park Barracks Museumにある囚人用ハンモックにも寝てみたが、あれもひどい代物だった。
Strait jacket(拘束衣)を着けて転がされている人もいる。傍らのバケツは便器か?

所内には首吊り処刑台がある。

ロープやマスクなど、Hangman's Kitと呼ばれる首吊り道具も展示してある。

近代国家としてのオーストラリアは流刑地として始り、囚人の多くは劣悪な環境で過酷な労働を強いられ、大勢の犠牲者が出た。今のオーストラリアは、アボリジニ虐殺も含め、自分たちの歴史を良いことも悪いことも包み隠さず表明するようになった。それはとても誠実で勇気ある行為だと思う。