
11月11日は記念日。
1956年の今日は、お向かいのリナーテ&アーヴィンがオーストリアからイタリアのジェノアへ移動し船で一ヶ月かけてメルボルンへ着いた日。2002年の今日は、ヘレンと結婚した僕がシドニーへ戻って来れた日だ。
11月11日という憶えやすい日にちでありがたい。
リナーテ&アーヴィンとコーヒーを飲みながら、その当時のことを話していた。リナーテは分厚いフォトアルバムを持ってきて、思い出深い写真を見せてくれた。

1950年代は、ヨーロッパからの移民が多かった。第二次世界大戦で荒廃した故国を去り、たくさんの人達が新天地を求めて、アメリカやオーストラリアへ向かった。

ドイツ語を母語とする移民たちは集められ、粗末なバラック小屋で暮らしていた。アーヴィンはペンキ塗りの仕事を得、リナーテは工場で働き始めた。皆、20歳そこそこで、若くて元気があった。働いた金で、4年後、二人は家を建て、子供たちを育てた。
そんな若き日の10年間が収められているアルバムは、二人の宝物だ。

2002年の10月、僕はサンフランシスコでヘレンと会っていた。僕は8月にSpouse Visaを申請したのだが、いつ認可されるのかわからない日を待っているのにウンザリしたので、ヘレンとどこかの国で落ち合うことにした。サンフランシスコのホテルに泊まり、ナパ・ヴァレーでワインを飲んだり、

ヨセミテの森を訪れたりしていた。

10月末、僕とヘレンが、それぞれ日本とオーストラリアへ戻ってすぐ、僕のVisaがおりた。そして11月11日の朝、シドニー空港へ迎えに来てくれたヘレンと一緒に家へ着いた時、ああ帰って来たと心から安堵したのを今も憶えている。
posted by Tats at 19:38
|
Comment(2)
|
シドニー日記