2022年02月26日

ウクライナ情勢


今日も雨が降ったり止んだりしている。家の中まで湿気てしまい鬱陶しい。
お向かいのリナーテ&アーヴィン宅に行ってコーヒーを飲んでいると、どうしてもウクライナ情勢の話になる。
ロシアがウクライナへ侵攻してから二日たった。5万人以上がウクライナから国外に避難し、空港はロシア軍に占拠された。空襲警報が鳴り響く首都キエフが陥落するのも時間の問題だろう。

二人はニュースを見ていると、悲惨な目にあった第二次世界大戦後期を思い出して、心が痛むという。
1944年12月、ソ連軍がルーマニアへ侵攻し、クリスマス攻勢と呼ばれる戦闘が始まった。
トランシルヴァニアに住んでいたリナーテの両親は、3人の子供たちを連れ、着の身着のまま、小さなトランクを下げてハンガリーへ逃げ、それからオーストリアの国境へたどりついた。クリスマスの直前、難民として貨物列車に乗せられ、寒さに震えながら藁にくるまって難民収容所へ送られた。
故郷を離れる日、父親が連れて行くことができない愛犬を射殺していたこと、収容所では、両手にバケツを持って極寒の中を水くみに行ったこと等々、当時8歳だったリナーテは今も憶えている。

プーチンはスターリンのようになってしまった、とアーヴィンは悲しそうにつぶやいた。
大ロシアを夢みて侵略を繰り返したスターリンは、人間不信と猜疑心に凝り固まり、実の娘に「父はいたるところに敵をみた。孤独感と絶望感からくる弾圧マニアだった」と評されたそうだ。
そんな男にプーチンがなっていないことを願う。
これから情勢がどうなるのかわからないが、すでにたくさんの人たちの暮らしが破壊され、死んでいるのは確実だ。
posted by Tats at 16:23 | Comment(0) | シドニー日記